戸惑いながらも後ずさる花緒に、桜河は首を横に振る。
「病み上がりだ。まだ力が戻っていないはずだ」
反論は受け付けないとばかりに、逃げ場のない穏やかな声音。結局、花緒はおとなしく従うしかなかった。
匙が唇に触れるたび、ほんのりと温かな湯気が頬をなでる。その距離の近さに、心臓の鼓動がひときわ大きく跳ねた。
(か、顔が熱い……! よりによって桜河様に食べさせてもらうなんて)
「味は悪くないだろう?」
「はい……。とても、美味しいです……」
そうは答えたものの、あまりの緊張に味を感じている余裕はなかった。
彼の手のぬくもりに触れるたび、花緒は胸の奥が不思議と温かくなる。
(一緒にいると安心できる方……。これが信頼というものなのかしら)
妖の王と贄は、こうやって絆を深めていくものなのだろうか。
「病み上がりだ。まだ力が戻っていないはずだ」
反論は受け付けないとばかりに、逃げ場のない穏やかな声音。結局、花緒はおとなしく従うしかなかった。
匙が唇に触れるたび、ほんのりと温かな湯気が頬をなでる。その距離の近さに、心臓の鼓動がひときわ大きく跳ねた。
(か、顔が熱い……! よりによって桜河様に食べさせてもらうなんて)
「味は悪くないだろう?」
「はい……。とても、美味しいです……」
そうは答えたものの、あまりの緊張に味を感じている余裕はなかった。
彼の手のぬくもりに触れるたび、花緒は胸の奥が不思議と温かくなる。
(一緒にいると安心できる方……。これが信頼というものなのかしら)
妖の王と贄は、こうやって絆を深めていくものなのだろうか。
