ワンルーム、きみと小さな海をみる







アオさんが泣いていた。


胸を撃たれても、死を覚悟しても。

どんな状況でも涙ひとつ見せなかったのに。

その目から、一筋の光が音もなく伝っていた。


わたしの涙のように真珠にはならなかったけれど。

それでも、彼の涙のほうがずっとかけがえのないものに思えた。




「アオさん」



アオさんが顔をあげる。


はじめて目が合った気がした。

ずっと何かに囚われていたその瞳に、はじめてこちらからの光が映った気がした。




「わたしはわたしの好きなひとが笑っていてくれないと嫌。好きなひとには、アオさんには幸せでいてほしいよ。それって、わがままかな?」



アオさんは少しだけ目を伏せて「……わがままだよ」と微かにつぶやく。

そのまま、傷口を押さえていたわたしの手の上に、そっとアオさんの手が重なった。





「でもそのわがままに……俺は、また救われた」