ワンルーム、きみと小さな海をみる




深夜にふたりで見入ったあの古いドラマ、溶けかけでも甘くておいしかったソフトクリーム、このワンルームを彩ってくれた海。


それらを指先でなぞるように歌を口ずさんでいると、

開け放たれたままだったドアが、バンッ!と勢いよく叩かれた。




「うわーーーーッ!!……って、」



そこにいたのはアオさんだった。

血まみれで、わたしはそれを幽霊だと思った。




「な、南無……」

「勝手に殺すな……まだ生きてる」



言われて、たしかに血まみれのわりには顔色がそこまで悪くないことに気がついた。


でも、




「心臓が、心臓を一発って」

「あいつらが抜かりなく仕留める気だったおかげで助かったわ」



かすれ声で笑いながらアオさんは救急箱を引っ張り出してくる。

どうやらここで応急処置をするらしい。




「俺、右胸心なんだよ」

「うきょ…?」

「本来は左にあるはずの心臓が右にあるってこと」