「……ミスしただけで殺すなんて、おかしい」
「おかしいよな。あいつ、次期若頭候補だったんだぜ。なにもそう難しい話じゃなかった。なにより、親父からの頼みを断るなんて、なあ?」
どんな仕事内容だったかはわからない。
けれど、それだけでここまで殺しに追ってこさせるなんて親じゃないと思った。
そのことを口にすると、「なに言ってんだ?」と男は怪訝そうに眉をひそめた。
「本当の親なわけねーだろ。とくにあいつは孤児だ。きったねえ路地裏で死にかけてたところを親父が拾ってきたんだよ。──には資質があるって親父はよく褒めそやしてたけどよぉ、俺たちにゃただ面のいい不愛想なガキにしか見えなかったぜ」
男たちは心底アオさんが嫌いだったのか、誰一人としてアオさんを庇う者はいなかった。
「まさか親父も、あいつが日和るだなんて思わなかったんだろうな。これは裏切りだって三日三晩泣いてたよ。で、報いを受けてもらうことにしたんだと」
「報い?」
「まあ、そこはあいつも例外じゃなかったってわけだ。この苦しみをわかってもらうために、親父はまずあいつの腹心を殺した。したらあいつ、怖気づいて俺らが目離してる隙に逃げやがったんだ。
こんな田舎くせえ場所で結局殺されるなんざ、情けねえ話だと思わねえか?」
