ワンルーム、きみと小さな海をみる






「あいつなら死んだよ」




いつもと同じ一日になるはずだった。

見知らぬ男たちが、部屋に入ってくるまでは。


ドアの向こうから物音がしたとき、わたしはアオさんが帰ってきたのだと思った。

それなのに、聞こえてきたのは複数人の知らない声だった。


ヒトよりも聴覚が発達しているわたしはすぐに異変に気がついて、近くにあった大きめの布で自分の下半身を隠す。

浴室のドアが開いたのは、それとほぼ同時だった。




「おい、ここに女がいるぞ」

「あいつ呑気に女なんか作ってやがったのか」



物珍しそうに浴室を見回す男たちが中まで入ってこようとしたので、わたしは「あなたたち誰?」と制止するように声をかけた。




「アオさ……あのひとはどこ?」

「あいつなら死んだよ。俺らは遺品整理に来たってわけ」



集団からは下卑た笑いと、金品回収ともいうけどな、という声が上がった。