ワンルーム、きみと小さな海をみる



悶々とそんなことを考えていると、「悪いな」といきなり謝られたのでびっくりした。



「えっなんで?どうして謝ったの?」

「そのアイス、だいぶ溶けちまってるだろ」

「そんなの気にしないよ。これでも充分おいしいもん」



わたしは町に行ったことはないけれど、きっとそう短くはない道のりなんだろう。


アオさんはアイスクリームがどんなものかも、持って帰ってくるのにかかる時間もわかっていた。

それでも買ってきてくれたんだ。

その事実と、思いやりが嬉しかった。



……でも。

でも、もし、わたしが一緒に町に行けていたら。

きっとその場でアイスクリームを食べることもできていたし、こうしてアオさんを謝らせることもなかったんだろう。


ああ、そう考えると、




「足があったらよかったなあ」



そうすればアオさんの隣を歩くことができる。

どこにだってついていくことができる。




「わたしにも足があれば、あなたと一緒に息ができるのに」



今の生活に不満はない。

だけど、それだけがほんの少し心残りだった。