────あの日。
あの日、先に見つけたのはわたしのほうだった。
はじめて入り江で出会ったとき、アオさんは黙々とゴミ拾いをしていた。
その姿を見つけたわたしはすでに網に絡まっていて、「このままだとヒトに見つかってしまう!」と絶体絶命の気持ちでいっぱいだった。
わたしは好奇心旺盛だったけど臆病さも人魚一倍で、気づかれないようにやり過ごそうとした。
動くたびに食い込む網よりも、じりじりと肌を焼いてくる太陽よりも、ヒトに見つかることがなにより怖かったからだ。
じっと遠目に観察をつづけていると、彼が砂浜に落ちたゴミを拾っていることに気がついた。
捨てるんじゃなくて、ゴミを拾うほうのヒトだ。
珍しいな。
最初に抱いた感情はそれだけだった。
