ワンルーム、きみと小さな海をみる



迷った末、わたしは昼間の出来事をすべてアオさんに話した。


ここに子供が来たこと。

アオさんのことを"やくざ"だと言っていたこと。

ヒトを騙したり脅したりしているということ。


生きてる価値がないだとか、出来損ないだと言っていたことはひとことも伝えなかった。

あの子がそう思っていたとしても、わたしはそうは思わないからだ。



「……ははっ」


すべてを聞き終わったアオさんが静かに笑った。




「そりゃ怒り損だったな」

「損なんかしてない。あの子もあの子の親も、みんなアオさんのことを勘違いしてる」

「……だから、勘違いしてるのはお前のほうだよ」

「アオさん?なんで後ろを向いて……」



アオさんが着ていたシャツをするりと脱ぐ。

そこには見慣れた背中と、あの模様が広がっていた。


やっぱり綺麗だと思った、けれど。