ワンルーム、きみと小さな海をみる



アオさん何歳なんだろう。わたしのおにいちゃんと同じくらいに見えるから、25とか?

名前さえ教えてくれないんだから、きっと年齢も教えてくれないんだろうな。




「じゃあわたしが大人になったら結婚するって約束して?」

「ふざけんな。誰がするかそんな契約」

「じゃあじゃあ、真珠もあげるから!わたしたちの涙は地上だと真珠になるんだよ。待っててね、いま泣くから……」

「涙の安売りはやめろ」




じつはね、わたしも、わたしの尾びれがそんなに嫌いじゃなかったんだ。

バスタブの水底で宝石のように煌めく鱗は、前よりもずっと輝いて見える。




「えへへ、わたしも好き。~♪」



歌はあいかわらず下手だったけれど。


それもいつか好きになれる日が来るような。

そんな、気がした。