いろいろ聞きたかったけれど、アオさんはそれ以上聞かれたくないのかそれきり口を閉ざしてしまった。
きっともう忘れたいんだろう。
かといって、完全に吹っ切れているようでもない。
その沈黙の奥には、過去がいまだに影を落としたままのように思えた。
「ずっと思ってたけどその背中の模様、綺麗だね。魔女が好きそうだから、きっとアオさんとなら好条件で取り引きしてくれたと思うんだけどなあ」
「はっ、ならやっぱり海の魔女は極悪人だな」
「そんなこと……」
「俺は、その尾びれのほうがずっと好きだけど」
「うん……、えっ?告白?」
「なわけねーだろバァカ。あんたせいぜい16かそこらだろ。ガキに手出すほど俺も落ちぶれちゃいねーよ」
