身体が成長しない魔法少女と見習い剣士の少年と二人の親友のウサ子お姉さんは本物の家族になりたい!

 しばらく距離を進んだので、三人は休憩をとっていた。
 簡易的なテントの中でクロウドが眠りについたあと、アンナとアロウラは外で話を始める。

「アンナはいつもクロウドとあんなことしてるの?」

「まさか。自分の子供とそんなことしないわよ」

「えっ! クロウドはあなたの子供なの!」

 アンナたちが暮らしてきた里には、親子という概念は存在しない。
 何故なら、この里では子供は共有財産とみなされていて、生まれた瞬間から母親から取り上げられ共同で育てられるからだ。

「アロウラも十二の時にあのジジイの相手をさせられたでしょ? その時に出来た子供よ。ま、子供を身ごもると隔離されるし、産んだらすぐに取り上げられちゃうから、産んだことのないあなたは知らないでしょうけどね」

 この里には初夜権というおぞましい風習が残っていた。

 この里の全ての女子は十二歳になると里の長老と初夜を迎え処女を捧げなければならない。
 クロウドは、この時アンナが身籠った子だった。

「そんな──。確かに私は子供ができなかったけど。長老とアンナの子供があの子だなんて──」

「そのあとあなたも何度か男をあてがわれたようだけど、子供が出来なかったようね。この里では、子作りも計画して行われてるから、それで、あなたはその計画から外されたんじゃないかしら」

 アロウラには子供がいない。
 何度か男をあてがわれて相手をした経験はあるが、それ以降男と交わることはなかった。

「ま、私も呪われていると思われてからは、男をあてがわれることは無くなったけどね」

 アンナは十二歳程度で身体の成長が止まっている。
 このため、周囲からは呪われていると思われていた。

 そのため、それ以降、彼女も男の相手をすることは無かった。

「あなたの呪いって、歳を取らないことよね? どうしてそうなったの?」

「さあ? 気づいた時にはこうなっていたからね。それに歳を取らないっていうのは適切じゃないわ。見てなさい」

 そういうと、アンナはナイフを手に取り、自分の手首を深く切りつけた。

「ちょっと、アンナ! 何をしてるの!」

 突然腕をナイフで切りつけたアンナに、アロウラは動揺している。

「まあ、見てなさいよ」

 すぐに、アンナの腕の傷が塞がっていき、傷あとひとつ残らずに再生した。

「これが私のもう一つの特性。どんな傷を負っても即座に再生するの。身体の成長が止まっているのは、この特性の副作用なんだと思うわ」

「すごい。でも、この能力を知ったら、長老が黙ってないんじゃない? クロウドの能力もだけど。本当に長老は知らないの?」

「ああ、長老なら、もうこの世にはいないわ。だから、私たちが里抜けしてるんじゃないの」

「──なるほどね」

(おそらく、長老を暗殺したんだわ。アンナ、見た目は子供なのに、そんな恐ろしいことが出来るんだ)

 アロウラは背筋が凍りつきそうになり、黙り込んだ。