中庭に出ると、1人の小柄な女の子がそこに居た。
「あ、百瀬先輩。こんにちはっ。すみません、呼び出してしまって」
小動物のような可愛らしい女の子だった。
俺のことを先輩と呼んでるってことは、後輩なんだろう。
何の気なしに、ふと目を上に向けると、4人がニヤニヤしながらこちらを見下ろしていた。
いや、正確に言えば3人。
結城の表情からは感情を読み取ることはできなかった。
「あの、えっと、その…」
「どうした?」
「1回も話したことないのに、なんだこいつって思ってますよね、ほんとにすみません、でも、あの」
「いいよ、大丈夫だよ。落ち着いて」
この子は初めての告白なんだろうか。
自分が告白されるの初めてということは棚に上げ、そんなことを考えていた。
そういえば、中学時代俺モテてたと思ってたけど、告白されたことないなぁ
「すみませんっ、あの、」
そうでした、告白中でした。すみません。
「一目、惚れです。思いを伝えずに卒業してしまうのは、これから後悔が残りそうで」
後悔___
「告白しなくて後悔するなら、して後悔したくて。これ、手紙です。付き合ってくれなくてもいいです。とりあえず、思いを伝えたかったんです。受け取るだけ受け取ってもらえませんか…」
告白せず後悔より、して後悔___
「あの、百瀬先輩…」
「あっ、ごめん。そうだね、じゃあお手紙受け取っておくね。勇気出してくれてありがとう」
「もう結果は分かってるんで、返事はいりません」
「…え?」
「当たって砕けろ精神で来たので。受け取ってくれてありがとうございました!」
そういって、ニコニコで吹っ切れたように帰っていった。
名前も知らない後輩ちゃん。
俺はもしかしたらあの子に勇気を貰ったかもしれない。
上の方からフゥ〜!と茶化すような声が聞こえる。
おいおい…と思いながら見あげると、そこに結城はいなかった。
「お盛んでございますね〜!」
「いや、OKしてねえから!」
「……えっ!?」
「……?」
「百ちゃん、今手紙受け取ってなかった?」
「しかも、女の子ウキウキで帰ったぞ」
「当たって砕けろ精神できたから、返事はいりません。手紙受け取ってくれてありがとうって、ニコニコ帰っただけ!」
「なあんだ!」
と山口と渡辺がガッカリする中、五十嵐だけは何故か焦った顔をしていた。
どうしたんだろう。
あの焦った顔の真実をしるまで、時間はそうかからなかった。
「はいはい、もう茶化さないよ〜」
合流してからすぐに茶化しまくる山口と渡辺をなだめつつ、結城の行方を探る
「五十嵐、結城は?」
「あっ、いや、」「そうだあ!!体育館に用あるとか言ってたな!!」
「……体育館?」
体育館への渡り廊下が見える窓へ移動する。
そこには綺麗な女の人と結城。
「こく、はく_」
「百ちゃんに引き続き結城にも春が来るのかあ」
「あいつ、どんだけ綺麗な子に告白されても振り続けてたからな」
「おい、手紙受け取ったぞ」
「えっ…?」
なぜか人一倍驚いている五十嵐。
その綺麗な女性は軽く結城にハグすると、笑顔で去っていった。
「あいつ、OKしたのか…?嘘だろ…」
「五十嵐、」
「百瀬、気にするな。大丈夫だから」
なんだよ気にするなって、俺は結城の何でもないよ。そう言って笑おうとしたけど、笑えなかった。
言葉も出なかった。
結城が告白を受けているのを見て、俺はとても大きなショックを受けていた。
あいつが、他の人と付き合ってしまう。
いや、でもそれがいいんだよ
俺なんかより、
俺なんかより、綺麗で、可愛くて、
愛嬌がある女の子と_____
気付いたら、荷物を持ってその場から逃げ去るように去っていた。
結城からこの後話があると言われたことも忘れて。
楽しみだったはずの、楽しかったはずの体育祭は苦い思い出となった。
「あ、百瀬先輩。こんにちはっ。すみません、呼び出してしまって」
小動物のような可愛らしい女の子だった。
俺のことを先輩と呼んでるってことは、後輩なんだろう。
何の気なしに、ふと目を上に向けると、4人がニヤニヤしながらこちらを見下ろしていた。
いや、正確に言えば3人。
結城の表情からは感情を読み取ることはできなかった。
「あの、えっと、その…」
「どうした?」
「1回も話したことないのに、なんだこいつって思ってますよね、ほんとにすみません、でも、あの」
「いいよ、大丈夫だよ。落ち着いて」
この子は初めての告白なんだろうか。
自分が告白されるの初めてということは棚に上げ、そんなことを考えていた。
そういえば、中学時代俺モテてたと思ってたけど、告白されたことないなぁ
「すみませんっ、あの、」
そうでした、告白中でした。すみません。
「一目、惚れです。思いを伝えずに卒業してしまうのは、これから後悔が残りそうで」
後悔___
「告白しなくて後悔するなら、して後悔したくて。これ、手紙です。付き合ってくれなくてもいいです。とりあえず、思いを伝えたかったんです。受け取るだけ受け取ってもらえませんか…」
告白せず後悔より、して後悔___
「あの、百瀬先輩…」
「あっ、ごめん。そうだね、じゃあお手紙受け取っておくね。勇気出してくれてありがとう」
「もう結果は分かってるんで、返事はいりません」
「…え?」
「当たって砕けろ精神で来たので。受け取ってくれてありがとうございました!」
そういって、ニコニコで吹っ切れたように帰っていった。
名前も知らない後輩ちゃん。
俺はもしかしたらあの子に勇気を貰ったかもしれない。
上の方からフゥ〜!と茶化すような声が聞こえる。
おいおい…と思いながら見あげると、そこに結城はいなかった。
「お盛んでございますね〜!」
「いや、OKしてねえから!」
「……えっ!?」
「……?」
「百ちゃん、今手紙受け取ってなかった?」
「しかも、女の子ウキウキで帰ったぞ」
「当たって砕けろ精神できたから、返事はいりません。手紙受け取ってくれてありがとうって、ニコニコ帰っただけ!」
「なあんだ!」
と山口と渡辺がガッカリする中、五十嵐だけは何故か焦った顔をしていた。
どうしたんだろう。
あの焦った顔の真実をしるまで、時間はそうかからなかった。
「はいはい、もう茶化さないよ〜」
合流してからすぐに茶化しまくる山口と渡辺をなだめつつ、結城の行方を探る
「五十嵐、結城は?」
「あっ、いや、」「そうだあ!!体育館に用あるとか言ってたな!!」
「……体育館?」
体育館への渡り廊下が見える窓へ移動する。
そこには綺麗な女の人と結城。
「こく、はく_」
「百ちゃんに引き続き結城にも春が来るのかあ」
「あいつ、どんだけ綺麗な子に告白されても振り続けてたからな」
「おい、手紙受け取ったぞ」
「えっ…?」
なぜか人一倍驚いている五十嵐。
その綺麗な女性は軽く結城にハグすると、笑顔で去っていった。
「あいつ、OKしたのか…?嘘だろ…」
「五十嵐、」
「百瀬、気にするな。大丈夫だから」
なんだよ気にするなって、俺は結城の何でもないよ。そう言って笑おうとしたけど、笑えなかった。
言葉も出なかった。
結城が告白を受けているのを見て、俺はとても大きなショックを受けていた。
あいつが、他の人と付き合ってしまう。
いや、でもそれがいいんだよ
俺なんかより、
俺なんかより、綺麗で、可愛くて、
愛嬌がある女の子と_____
気付いたら、荷物を持ってその場から逃げ去るように去っていた。
結城からこの後話があると言われたことも忘れて。
楽しみだったはずの、楽しかったはずの体育祭は苦い思い出となった。
