天秤の浮島

私は宙海(そらみ)マキナ。今は、小学5年生で…おしゃれも大好き! 次は憧れの小学6年生! もっとしっかりしたお姉さんになって素敵なオトナになれたらいいな!

そんなことを思って…6年生になるのがますます楽しみになってきたんだけど…
今日の学校の帰り道、青い花柄のがま口財布が落ちてて、交番に行ったんだ。
警察官「おや、まあ また落とし物を拾ってきてくれたのかい?」そうやって声をかけてくれたのはいつもの警察のお兄さん…じゃなかった。
なんか似てるけどなんか違う。
今日の落とし物は財布だから難しいシートに色々書いた。書き終わったらあの警察のお兄さんが
警察官「お姉ちゃんは…偉いねえ そうだこんなものあげる」
そう言って渡されたのはおとぎ話の挿絵に入っているような楕円の手鏡。
帰り道でまじまじとその鏡を見つめてみる。白雪姫の悪ーいお妃様のように鏡さんの返事が来るわけでもない何の変哲もない鏡。
マキナ「魔法使いに変身したり、鏡の世界に行けたりできたら面白いのに つまんない」
そう行ったら鏡が一瞬青に光った気がした。
マキナ「眩しっ!」
思わぬ強い光に思わず目を瞑った。
足に地がつく感覚がない。お水の中で少しだけ浮いているみたい。
そうして…目覚めたら一面ペールトーンの世界。図工の教室にあってこっそり覗いたカタログにあったペール色の絵の具たちのような 何となく、青緑っぽいような 不思議な世界に来ていた。
後ろに振り向くと合ったのは飛行する船と真っ白に輝く宮殿。私のすぐ近くには真っ白くて、屋根は青緑でモダンな感じで…ガゼポっていうやつがあった…
魔法の世界の素敵な庭園みたいな…私の思い描く理想の天国みたいなところ!
でも、なんだろ。すごくさみしい。きれいなのにイラストみたいなとこなのに
……音が、しなかった。
風も、人の声も、草の揺れる気配もない。

まるで「時間だけが置いていかれた」みたいな世界だった。
「昔から鏡の奥には裏の世界があって、
そこに宿った死者の魂が無理やり連れて行こうとする……なんて言われているのよ」
ふと、おばあちゃんが言ってた声がよみがえる。
「そういえば、なんでこんな世界に来たんだっけ…?」
足元を見る。石板がある。 なんて書かれているんだろう。えっと…
You're an idiot(お前はバカだな) :P」「|Was there nothing else to do《何かほかにすることがあるんじゃないのか》?」
1つ目はわかった。お前は馬鹿って何? あと…:Pって文字腹立つ! 文字であっかんべーしないでよ!
マキナ「あーはいはい。私がお馬鹿さんって?この文しか読めないけど?  …まぁ、読めない方が、都合が良かったかもねぇ〜」(棒読み)