緩やかに、だけど掴めない速さで日々が過ぎていく。
俺は翌月に入ってすぐに免許センターへ行き、試験に合格した。
数週間ほどしてから、幸耶から無事免許取得の連絡がきた。
電車に乗ってる最中だったけど、歓喜のあまり変な声が出て恥ずかしかった。
( 良かった…… )
財布の中に入ってる免許証を取り出し、目を眇める。
幸耶や俺にとってこれは、知識や技術の証明だけじゃない。
過去に負った傷を乗り越えた証だ。ひとりでは叶わなかったけど、手を引き合って手に入れた、絆の証でもある。
幸耶が家に来なくなっても、生活はやっぱり変わらなくて、いつもなにかに追われている。
だけど何とかなる気がしてるんだ。この強さは、彼から与えられたもの。
俺はこれからもずっと、彼のことを思い出して生きていく。
露往霜来。
またたく間に季節は流れ、一年の時が経った。


