オールの先に、水平線

青春・恋愛

オールの先に、水平線
作品番号
1770487
最終更新
2025/12/27
総文字数
2,326
ページ数
1ページ
ステータス
未完結
いいね数
0
退屈で、何も変わらないと思っていた毎日。
水瀬理人にとって、世界はいつも同じ色をしていた。

魚が好きだった。
水族館で、静かに泳ぐ魚たちを眺めている時間だけは、
この世界が少しだけ、きらめいて見えた。
いつかあの場所で、魚たちのことを
誰かに伝える仕事ができたら――
それが、理人の小さな夢だった。

正反対の転校生・朝霧颯真は、
海が好きで、空が好きで、
いつか海上自衛隊になることを真っ直ぐに語る少年だった。
同じ“海”を見ているのに、
向いている方向はまるで違う。

二人が出会ったのは、カッター部という小さな舟の上。
一人では進めず、
誰かを信じなければ前に出られない世界。

笑い合い、ぶつかり合い、
同じリズムでオールを揃える日々。
だが颯真は、過去の事故という“非日常”を抱え、
海に向かうことそのものを、どこかで恐れていた。

逃げたい過去と、踏み出したい未来。
恋ではない。
それでも確かに結ばれていく、相棒としての絆。

荒れる海の上、限界の先で、
彼らはそれぞれの夢を胸に、オールを握る。
魚たちの世界を伝えたい少年と、
海を守る道を選ぼうとする少年。

これは、同じ舟に乗った時間が、
二人の未来をそっと後押しする物語。
爽快で、少し切なく、
読み終えたあと、胸の奥に静かな光が残る
青春ボーイズライフ。
あらすじ
平凡な日常を送る高校生・水瀬理人は、正反対の転校生・朝霧颯真と出会い、カッター部に入部する。一人では進めない競技の中で、理人は仲間とオールを揃える喜びを知っていく。しかし颯真は、過去の大会事故というトラウマを抱えていた。荒れる海で迎える大会の日、二人は同じ舟に乗り、それぞれの夢を胸に前へ進む。恋ではない、確かな絆を描く青春ボーイズライフ。

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