少年エレジー

 だけど確認する術が無い。あいつは携帯番号を変えている。
 
 白石は、ツイッターやインスタもしていない。こうなると連絡する事も出来ない。白石の祖父は数年前に死んでいるし、他に親戚はいないと聞いている。

 もしかしたら、美しい白石の母親が、何かSNSをしてるんじゃないか。キャバクラなどで働いていたら、サイトに源氏名と顔を載せているのではないか。

 あらゆる角度から色々と辿ってみたが、残念な事に白石の母の足取りも見付けられらなかった。どうしたものかと悩んでいた時、オレの母がパソコンの使い方を教えてくれと言ってきた。

『ねぇ、ヤフーのメールのログインのパスワードって、どんなのだったか覚えてる? オークションって、昔やったわよね。あれ、どうやるんだっけ?』

 母は、オークションサイトでみかけたアクセサリーを買うつもりでいる。その時、昔、オレと白石がフリーメールを使っていた事を思い出してハッとなった。

 ヤフーメールに気持ちを書いて送らずにはいられなかった。

       ☆

 白石、元気にしてるのか? オレ、おまえが急にいなくなって落ち込んだよ。でも、今は、ちょっと前向きになろうとして動き出している。もうすぐ夏休みだな。オレは、おまえがいなくなった後、勉強とバイトに打ち込んでいる。あのな、ビッグニュースがあるんだよ。後藤の母ちゃんが自殺した。聞いたところによると自宅の寝室で首を吊ったらしい。葬式の間、ずっと後藤は泣いていたらしいぜ。後藤は、昨日、通りすがりの大学生と喧嘩をして警察に捕まって停学処分になっている。後藤の父親は示談に持ち込もうとしたけれど、大学生の父親っていうのが、すっげぇ頑固で、絶対に起訴に持ち込むって言っている。考えてみれば、あいつも可哀想な奴だよな。おまえ、どこにいるのか教えてくれないか。おまえに会いたい。
 おまえ、読書に夢中になると、飯も食わないから心配だ。いつか、どこかで会おう。オレ、バイトをしている。離島や外国だって行ける。白石。居場所を連絡してくれないか。会いたい。
 
 返事を書いてくれ。待っているぜ。