あなたへ

我思う、故に我あり。

何処かの偉い人はそう言った。

なら、考えるのを止めたら、私は私でなくなるの?

そう口にすると、”誰か”は現れる。

君の願い、叶えてあげるよ_______。

それは何度も、繰り返す。

また、同じ夢を見ていた。

不思議な色の光が窓から差し込む。

カーテンを開けると、眩く光る二つの月。

紅い月と、蒼い月。

今日の陸路は使い物にならない。

着替えて、空飛ぶ箒を手に取る。

飛べ(アルマ)!」

ドラゴンたちの吹く火の玉を水槍(ウォーターランス)で消火しながら、最短ルートを突き抜ける。

目的地に到着すると、くるりと一回転して、着地。

目の前には、顧客。

「ご依頼ありがとうございます。魔導士ミルナと申します。」

魔導士。

それが、私の仕事。