名前を呼ぶ距離




 ──学園祭当日、展示を訪れた俺と悠人の高校までの友人達が、写真を見てざわついた。

「尊い……!!」
「ツインズ最高!!」
「写真集まだ?」
「あーやっぱりこいつらと同じ大学行けばよかったー。ツインズの定期接種必須だわ」

 なんで他の大学に行ったこいつらが今日学祭でこの企画やるって知ってんだよ。
 俺呼んでないんだけど。
 ちらり、と横目で悠人を見るとにっこりと笑顔が帰ってくる。
 ……こいつか。

 あぁでもこの感じ。
 久しぶりかも。

「なになに?」
「何ツインズって」
 騒ぎを聞きつけて、大学でできた悠人の友人や俺の友人たちも集まってくる。
 そんな何も知らない友人たちに、俺達のツインズ伝説が伝わっていって、また騒ぎになる。

「うぉぉっマジか。この一緒に映ってる幼馴染ってこの子だったんか!!」
「いやいや、大学も一緒って運命過ぎん?」
「ツインズ……。ファンクラブ作って売り出すか……」

 そんな感染拡大していった俺達の話に、悠人が苦笑いをして言う。
「大学でもツインズ、広まっちゃったね」
 困ったように、でもなんだか嬉しそうに見えるのは、きっと悠人の思いを聴くことができたから。

 名前を呼ぶ距離も、取り戻した。
 離れることも、寄ることも、二人で確かめ合いながら決められる。
 大事な幼なじみという関係は、変わることはない。

 俺は悠人を見て、小さく笑った。
「だな。……俺たち、やっぱり変わらないな」
 そんな俺に、悠人も笑い返す。
 「うん。変わらない」

 そして俺達は、そんな友人たちに言うんだ。

「────腐れ縁だよ」

って。



END