書くのが遅れてしまいました。
高校に入学してから、二ヶ月が経ちました。
誰かに見せるわけじゃないけど、自分の気持ちを整理するために書いておきます。
パパが亡くなりました。
あの日の夜、わたしと二人でドライブに行っていました。パパからドライブに誘ってくれるとは思っていなかったので、内心とても嬉しかったです。
向かったのは近くにある池でした。
「肝試しに行こう」と言ってわたしを夜中に連れ出して、手を繋いできたのでわたしはそっと離しました。
この歳になって父親と手を繋ぐなんて恥ずかしくて堪らないんです。
本当は繋ぎたかったけれど。
この池にはオバケが住んでいると、小さい頃から聞かされていました。
だから近付くな、とも。
わたしが初めてこの池に来たとき、パパが言いました。
「ここにいるオバケに名前をつけてあげよう。ニッちゃんはばぐばぐ食べるから、“あばぐだ”なんてどうだ?」
よく分からない名付け方にわたしは思わず笑ってしまいました。
あばぐだ、あばぐだ、あばぐだと楽しそうに呟きながら、車へ戻っていきました。
パパは突然エンジンをかけ、桟橋の横へ突っ込んでいきました。わたしは後部座席にいたこともあり、一命を取り留めました。
ですがパパは、もう。
おやすみなさい おやすみなさい ニヒコ
高校に入学してから、二ヶ月が経ちました。
誰かに見せるわけじゃないけど、自分の気持ちを整理するために書いておきます。
パパが亡くなりました。
あの日の夜、わたしと二人でドライブに行っていました。パパからドライブに誘ってくれるとは思っていなかったので、内心とても嬉しかったです。
向かったのは近くにある池でした。
「肝試しに行こう」と言ってわたしを夜中に連れ出して、手を繋いできたのでわたしはそっと離しました。
この歳になって父親と手を繋ぐなんて恥ずかしくて堪らないんです。
本当は繋ぎたかったけれど。
この池にはオバケが住んでいると、小さい頃から聞かされていました。
だから近付くな、とも。
わたしが初めてこの池に来たとき、パパが言いました。
「ここにいるオバケに名前をつけてあげよう。ニッちゃんはばぐばぐ食べるから、“あばぐだ”なんてどうだ?」
よく分からない名付け方にわたしは思わず笑ってしまいました。
あばぐだ、あばぐだ、あばぐだと楽しそうに呟きながら、車へ戻っていきました。
パパは突然エンジンをかけ、桟橋の横へ突っ込んでいきました。わたしは後部座席にいたこともあり、一命を取り留めました。
ですがパパは、もう。
おやすみなさい おやすみなさい ニヒコ

