
(映画『走る事故物件―恐怖のスピード―』ビジュアルポスター)
司会「『走る事故物件―恐怖のスピード―』、主人公の會田厘役の間坂ヒラさん、監督の蟲門守さんにご登場いただきます!」
(一同拍手)
司会「まずはお二人からご挨拶いただければと思います」
間坂「會田厘役の間坂ヒラと申します。足元の悪い中お越しいただきましてありがとうございます。この作品はとにかく怖いJホラーになっていますし、蟲門監督らしい色が出ています。楽しんで怖がって、ご覧になってください。よろしくお願いします」
蟲門「本作品の監督を務めました、蟲門と申します。原作は小説家の涎さんのものになります。最初映画化するお話をさせていただいたとき、涎さんがだいぶ渋ってたんですけど、お願いしまくって今回映画化が実現しました。會田くんにもいい演技をしてもらえたので、素晴らしい作品になっていると思います。よろしくお願いします」
司会「原作者の涎さんは本日体調不良でお休みのようですが、お手紙を預かっておりますので読ませていただければと思います」
蟲門「わざわざ用意してくれたんですね〜」
間坂「いやぁありがたい」
司会「今日は、上映イベントにお越しいただき誠にありがとうございま......えーっと......これは」
間坂「どうかしましたか?」
司会「文字が塗り潰されていて読めないというか......」
(会場が騒つく)
蟲門「そんな怖いことするなんて涎さんらしいな〜......」
間坂「......ね〜。ほんとに怖がらせるの大好きなんだから」
司会「一旦次のコーナーに移らせていただきます。観覧にお越しの皆様から、お二人にご質問があればここで受け付けたいと思います」
(数人が手を挙げる)
間坂「じゃあ一番前の女性の方!」
女性「間坂さんは事故物件に住まれたことはありますか?」
間坂「僕はないですね〜。中古で買うこと自体に抵抗がありますので」
蟲門「分かりますよその気持ち」
間坂「ですよね⁉︎」
蟲門「今回の撮影もロケ地が結構不気味だったんですよね。古臭いというか」
間坂「実際にあぐ沼も行きましたもんね」
蟲門「それはシーのお約束でしょ?」
間坂「あ、申し訳ないです。みなさん忘れてください」
司会「......続いて質問のある方?」
蟲門「じゃあ前から三列目の眼鏡をかけた男の子、どうぞ」
男性「こんにちは。お二人はホラーはお好きですか?」
司会「間坂さんからお答えいただけますか?」
間坂「僕小さい頃から『リング』とか『呪怨』とか見てましたから、今回主演のお話をいただけてすごく嬉しかったです。家の中で幽霊とかが実際に出てきたらさすがにビビりますけど、エンタメとしてのホラーは大好きです」
司会「続いて蟲門監督いかがですか?」
蟲門「ホラー映画をよく作っている身なので、恐らくホラーが好きなんでしょうね。ホラーに生かされているというか、エンタメになってくれてありがとうといいたいです」
司会「それでは最後に......一番後ろの女性の方!」
女性「監督はこの作品のもとになった家族についてお考えになったことはありますか?」
蟲門「家族......ですか。そういうのはあまり」
間坂「ホラーじゃなくなっちゃいますからね。だってホラーはーー」
女性「人の死を面白がって、お金をもらうのは楽しいですか?」
司会「そういった質問はちょっと......」
蟲門「色んな考えを尊重しないとーー」
(扉の閉まる音)

