「で? どうしようか?」
カタンとカップをトレーの上に置いて、智花が私に聞いてきた。……さっきまでと違って目が輝いているようにも感じた。
「あっ……そうだね。私はさ、塾みたいな感じでやれないかな? って思ってるんだよ」
「塾ねー……イメージはそんな感じだけどねぇ……」
「調べたんだよね! 私」
「何を?」
「高校生でも、事業? って言うのかな……会社作れるらしい」
「へぇ。でも……どうすれば良いんだろう……」
「お金……要るよね、たぶん」
「そこよね……良く分からないなぁ……」
「何よ、智花、文系でしょ? それくらい分かんないの?」
「あのね……所詮は高2なんだけど……? 受験に関係するヤツしか分からないってば」
私が調べたのは「高校生も会社を作ることができる」って事まで。そこから先は調べていないし、そもそも何をどう考えて行けば良いのか分からない。「たぶんお金が要るんだろう」って事くらい。智花と私は腕を組んでしばらく考え込んでしまった。
「あっ!」
智花が急に大きな声を出した。
「……何!? 驚かさないでよ……何、良いアイデアでも出た?」
「英里のお父さん!」
「……ん? うちのお父さん……?」
「そう! 英里のお父さん……自分でお仕事してるんでしょ? 確か」
「確かに……」
私のお父さんは、いつも家にいる。小学生の頃は、全然分かっていなくて「仕事をクビになったんだ」と思って……毎日学校で恥ずかしかった。でも、中学生になって、そういう働き方もあるって事を、教えてもらった。……でも何の仕事をしているのかは全く知らない。
(そっか……お父さんがいるじゃんか……)
「そうだね……何か、教えてくれるかも……!」
「ね? 英里のお父さん……優しいしね!」
「そっか、そっか! お父さんに聞いてみよう! たぶん、家にいると思う!」
私たちの行動は決まった。何をどういう風に考えて行けば良いのか……全く分からなかったけれど、お父さんにアドバイスをもらうっていう事は、智花も私も賛成だった。早速家に帰り、お父さんに私を持ちかけた――
◇ ◇ ◇ ◇
「ん? 智花ちゃん……? あぁ、覚えてるよ。英里と仲が良い子だろ?」
「そう! ねえ? 今から……ちょっとお願いがあるんだけど……」
「お願い? 珍しいな。っていうか……怖いな」
家に帰ると、パソコンの前に座っていたお父さんに早速声をかけた。「智花ちゃんと話をしていて、お父さんに相談したい事がある」と言って……磯子駅のカフェに、一緒に来てもらう作戦。あまりお願いなんてしない私。お父さんは少し気味悪がっていた。
「ここ!」
「……ここ? ここにいるって事? 智花ちゃん」
「うん。さっきまで一緒にいたんだよ。で、私だけお父さんを呼びに、1回家に帰ったって事」
「そっか」
カフェの自動ドアを2人でくぐり、お父さんはアイスコーヒーを注文した。「お前もいるか?」と聞かれた私は、ホットココアを注文してもらう。
「智花―! 連れてきた!」
狭い階段を再び下りて行くと、智花は3人で座る事ができる椅子に移動していた。
カタンとカップをトレーの上に置いて、智花が私に聞いてきた。……さっきまでと違って目が輝いているようにも感じた。
「あっ……そうだね。私はさ、塾みたいな感じでやれないかな? って思ってるんだよ」
「塾ねー……イメージはそんな感じだけどねぇ……」
「調べたんだよね! 私」
「何を?」
「高校生でも、事業? って言うのかな……会社作れるらしい」
「へぇ。でも……どうすれば良いんだろう……」
「お金……要るよね、たぶん」
「そこよね……良く分からないなぁ……」
「何よ、智花、文系でしょ? それくらい分かんないの?」
「あのね……所詮は高2なんだけど……? 受験に関係するヤツしか分からないってば」
私が調べたのは「高校生も会社を作ることができる」って事まで。そこから先は調べていないし、そもそも何をどう考えて行けば良いのか分からない。「たぶんお金が要るんだろう」って事くらい。智花と私は腕を組んでしばらく考え込んでしまった。
「あっ!」
智花が急に大きな声を出した。
「……何!? 驚かさないでよ……何、良いアイデアでも出た?」
「英里のお父さん!」
「……ん? うちのお父さん……?」
「そう! 英里のお父さん……自分でお仕事してるんでしょ? 確か」
「確かに……」
私のお父さんは、いつも家にいる。小学生の頃は、全然分かっていなくて「仕事をクビになったんだ」と思って……毎日学校で恥ずかしかった。でも、中学生になって、そういう働き方もあるって事を、教えてもらった。……でも何の仕事をしているのかは全く知らない。
(そっか……お父さんがいるじゃんか……)
「そうだね……何か、教えてくれるかも……!」
「ね? 英里のお父さん……優しいしね!」
「そっか、そっか! お父さんに聞いてみよう! たぶん、家にいると思う!」
私たちの行動は決まった。何をどういう風に考えて行けば良いのか……全く分からなかったけれど、お父さんにアドバイスをもらうっていう事は、智花も私も賛成だった。早速家に帰り、お父さんに私を持ちかけた――
◇ ◇ ◇ ◇
「ん? 智花ちゃん……? あぁ、覚えてるよ。英里と仲が良い子だろ?」
「そう! ねえ? 今から……ちょっとお願いがあるんだけど……」
「お願い? 珍しいな。っていうか……怖いな」
家に帰ると、パソコンの前に座っていたお父さんに早速声をかけた。「智花ちゃんと話をしていて、お父さんに相談したい事がある」と言って……磯子駅のカフェに、一緒に来てもらう作戦。あまりお願いなんてしない私。お父さんは少し気味悪がっていた。
「ここ!」
「……ここ? ここにいるって事? 智花ちゃん」
「うん。さっきまで一緒にいたんだよ。で、私だけお父さんを呼びに、1回家に帰ったって事」
「そっか」
カフェの自動ドアを2人でくぐり、お父さんはアイスコーヒーを注文した。「お前もいるか?」と聞かれた私は、ホットココアを注文してもらう。
「智花―! 連れてきた!」
狭い階段を再び下りて行くと、智花は3人で座る事ができる椅子に移動していた。



