「うぅ……うー……うわぁ……」
バタンとドアが閉じられると、私は膝から崩れ落ちてしまった。限界だった。智花とお父さんがいるけど、声を出して泣いた。
「何よ……何……?」
私にもきっと言いたい事が……胸の奥に沢山あったんだと思う。
ぐちゃぐちゃになって言葉にならなかった。智花はずっと立ち尽くしている。
「お疲れ様。大変だったなぁ」
テーブルに戻りながら、お父さんが声をかけてくれた。
「お父さんだってさ……何よ、言われっぱなしで……何で言い返さないのよ……」
「あのなぁ。喧嘩じゃ無いんだよ。それに……商売をするって、こういう事なんだよ」
「……」
「ま、2人とも座ったら」
「……」
私と智花も、椅子に座る。
「誤解の無いように言っておくけど……言い返さないって事が大切なんだって事じゃ無いからな?」
「……どういう事よ」
「うちらはまだ、『選んでもらう立場』って事だよ」
「……」
「塾を始めて、まだ1ケ月だ。しかもこんなボロボロの場所でやってる。お客さんだって不安なんだよ。『こんな所にお金払って大丈夫か?』ってね」
「……まぁ」
「しかも……教えてるのは女子高生だ。大人じゃ無いし、プロでも無い」
「……」
ごもっとも過ぎて、私は言い返す事ができない。ティッシュで鼻をかみ、お父さんの話をぼんやりと聞き続ける事しかできなかった。
「はぁ……」
「少し落ち着いたか? 智花ちゃんも」
智花は無言で頷くだけ。……相当ショックだったらしい。「はぁ」と小さくため息をついていた。
「でもさ……成績が上がらなかったのはそうだけど……千夏ちゃんが勉強できないって、お母さんだって分かってた事じゃん」
「うん。そうだね」
「宿題だってさ……出したってできないってば。1人じゃ」
「うん」
「何かさ……言いがかりに聞こえちゃうんだよ。言ったらいけないのかも知れないけど……」
「そうだな。その辺の事は、遠藤先生に聞いてみてご覧。塾の事は分からないけど……でもね、1つ教えてとくよ」
「……何」
「お客さんはね、そういう事は分かっているんだよ。でも……『何とかしてくれるんじゃないか』って、藁をもすがる思いで、お金を払ってる方もいるんだよ」
「……」
「商売するなら……それは分かっておかないといけないかな」
「……」
言っている事は分かる。でも……心の中には響いてこない。
私と智花は、お父さんの言う通り、遠藤先生にアドバイアスをもらう事にした。
「辞めちゃうのかなぁ」千夏ちゃんの事を考えながら、ぼんやり智花と、光成塾へと向かって歩いた――。
バタンとドアが閉じられると、私は膝から崩れ落ちてしまった。限界だった。智花とお父さんがいるけど、声を出して泣いた。
「何よ……何……?」
私にもきっと言いたい事が……胸の奥に沢山あったんだと思う。
ぐちゃぐちゃになって言葉にならなかった。智花はずっと立ち尽くしている。
「お疲れ様。大変だったなぁ」
テーブルに戻りながら、お父さんが声をかけてくれた。
「お父さんだってさ……何よ、言われっぱなしで……何で言い返さないのよ……」
「あのなぁ。喧嘩じゃ無いんだよ。それに……商売をするって、こういう事なんだよ」
「……」
「ま、2人とも座ったら」
「……」
私と智花も、椅子に座る。
「誤解の無いように言っておくけど……言い返さないって事が大切なんだって事じゃ無いからな?」
「……どういう事よ」
「うちらはまだ、『選んでもらう立場』って事だよ」
「……」
「塾を始めて、まだ1ケ月だ。しかもこんなボロボロの場所でやってる。お客さんだって不安なんだよ。『こんな所にお金払って大丈夫か?』ってね」
「……まぁ」
「しかも……教えてるのは女子高生だ。大人じゃ無いし、プロでも無い」
「……」
ごもっとも過ぎて、私は言い返す事ができない。ティッシュで鼻をかみ、お父さんの話をぼんやりと聞き続ける事しかできなかった。
「はぁ……」
「少し落ち着いたか? 智花ちゃんも」
智花は無言で頷くだけ。……相当ショックだったらしい。「はぁ」と小さくため息をついていた。
「でもさ……成績が上がらなかったのはそうだけど……千夏ちゃんが勉強できないって、お母さんだって分かってた事じゃん」
「うん。そうだね」
「宿題だってさ……出したってできないってば。1人じゃ」
「うん」
「何かさ……言いがかりに聞こえちゃうんだよ。言ったらいけないのかも知れないけど……」
「そうだな。その辺の事は、遠藤先生に聞いてみてご覧。塾の事は分からないけど……でもね、1つ教えてとくよ」
「……何」
「お客さんはね、そういう事は分かっているんだよ。でも……『何とかしてくれるんじゃないか』って、藁をもすがる思いで、お金を払ってる方もいるんだよ」
「……」
「商売するなら……それは分かっておかないといけないかな」
「……」
言っている事は分かる。でも……心の中には響いてこない。
私と智花は、お父さんの言う通り、遠藤先生にアドバイアスをもらう事にした。
「辞めちゃうのかなぁ」千夏ちゃんの事を考えながら、ぼんやり智花と、光成塾へと向かって歩いた――。



