ヴー……ヴー……
(!? ……電話?)
スマホを取り出し、電話に出るとお父さんからだった。
「何? どうしたの?」
「おい! 来たぞ! 問い合わせ!」
「えー!!! やったー!!!」
明日の夕方5時半。初めての保護者の人がやってくる。中3生らしい。
理由は分からないけど、電話を切った後に少し身震いをする。「お父さんがいてくれて……本当に良かった」と心の底から思った。
そして私は智花に電話をかけた――
松下小夏ちゃんというらしい。中学は私たちと同じで、この春から3年生になった。勉強は苦手。
お父さんから聞いた情報はこんな感じ。
夕方になると、アパート近くの外灯に、ぽつり……ぽつりと灯がともる。少し薄暗いけど、こればかりは仕方ない。私たちは書類を用意して、松下さんが来るのを待った。
「いよいよだね……緊張するなぁ……お父さんがいてくれて、良かったよ……」
足の震えが止まらない。智花も何だか、顔が真っ青になってる気がする……。
「ははっ……そうだな。しかも初めての……英智ゼミ、記念すべき1人目だしな」
「お父さんは何でそんなに余裕なのよ……」
「……ん? お父さんが大人だからじゃないか?」
「こんにちはぁ……」
ドアは開けっ放しにしてある。外から女性のか細い声が部屋の中に聞こえた。
「はっ……はいぃ!」
思わず声が裏返ってしまった。学校だったら大爆笑が起きたであろう裏声も、ここでは誰も笑わない。私と智花に緊張が走る……。
2人で狭い玄関口まで出て行くと、保護者らしい女性が立っていた。「ここで合ってるのかな」と言わんばかりの表情をしている。
「あっ……あの、松下さま……ですか?」
「はい。ここ……塾で合ってます?」
まさか女子高生が出てくるなんて、思ってもいなかったのだろうか……きょとんとした顔をされてしまった。
「あ、どうぞ。お待ちしておりました」
お父さんが後からゆっくりと出てきて、穏やかに女性に向かって話かける。
「良かった」という表情を浮かべながら……女性は靴を脱いで、6畳ほどの教室に置いてあるテーブルに向かって歩き出した。
「どうぞ、お座り下さい」
智花に促されて、女性はゆっくりと椅子に腰を下ろす。
(!? ……電話?)
スマホを取り出し、電話に出るとお父さんからだった。
「何? どうしたの?」
「おい! 来たぞ! 問い合わせ!」
「えー!!! やったー!!!」
明日の夕方5時半。初めての保護者の人がやってくる。中3生らしい。
理由は分からないけど、電話を切った後に少し身震いをする。「お父さんがいてくれて……本当に良かった」と心の底から思った。
そして私は智花に電話をかけた――
松下小夏ちゃんというらしい。中学は私たちと同じで、この春から3年生になった。勉強は苦手。
お父さんから聞いた情報はこんな感じ。
夕方になると、アパート近くの外灯に、ぽつり……ぽつりと灯がともる。少し薄暗いけど、こればかりは仕方ない。私たちは書類を用意して、松下さんが来るのを待った。
「いよいよだね……緊張するなぁ……お父さんがいてくれて、良かったよ……」
足の震えが止まらない。智花も何だか、顔が真っ青になってる気がする……。
「ははっ……そうだな。しかも初めての……英智ゼミ、記念すべき1人目だしな」
「お父さんは何でそんなに余裕なのよ……」
「……ん? お父さんが大人だからじゃないか?」
「こんにちはぁ……」
ドアは開けっ放しにしてある。外から女性のか細い声が部屋の中に聞こえた。
「はっ……はいぃ!」
思わず声が裏返ってしまった。学校だったら大爆笑が起きたであろう裏声も、ここでは誰も笑わない。私と智花に緊張が走る……。
2人で狭い玄関口まで出て行くと、保護者らしい女性が立っていた。「ここで合ってるのかな」と言わんばかりの表情をしている。
「あっ……あの、松下さま……ですか?」
「はい。ここ……塾で合ってます?」
まさか女子高生が出てくるなんて、思ってもいなかったのだろうか……きょとんとした顔をされてしまった。
「あ、どうぞ。お待ちしておりました」
お父さんが後からゆっくりと出てきて、穏やかに女性に向かって話かける。
「良かった」という表情を浮かべながら……女性は靴を脱いで、6畳ほどの教室に置いてあるテーブルに向かって歩き出した。
「どうぞ、お座り下さい」
智花に促されて、女性はゆっくりと椅子に腰を下ろす。



