「……学習塾を、されるん……でしたか」
「あっ、そうなんです。静かにやりますので、大家さんが許可して頂けると……とても助かります」
「たぶん、大丈夫だと思いますよ。先ほども、もう1度電話で確認しておきましたので……」
「そうでしたか、ありがとうございます。良い部屋ですねぇ……ここでやれたら……良いな」
宮城さんとお父さんが色々と話をしている間、私と智花は窓の外を見ていた。
おせじにも綺麗とは言えない。でもお父さんの話だと、塾をやらせてもらえる普通の家は、ここしか無いっぽい。
6畳の部屋が2つ。リビングはたぶん……4畳くらい。古い電熱線みたいなコンロもあるし、風呂もついている。でも、ここから始まるんだ。私と智花は窓から顔を出して、無言で目を合わせた。
(……よしっ)
(やってやるぞ……)
色々と話が進み出して、正直少し緊張もしている。でもそれ以上に、私はやる気で満ちていた。
「契約が済むまで……もうちょっと具体的な事を考えていこうか」
次の日、いつものカフェ。
お父さんはルーズリーフを私たちの目の前に出してきた。パソコンで打った字がびっしりと並び、所々に、お父さんが手書きで何か付け加えていた。
「先ずは……チラシね。これでお知らせしないと。でも、あまりお金をかけるつもりは無いから……5千枚くらいにしとく」
「そっか……チラシかぁ」
「そう。基本的に僕がお金は出す。もし英里や智花ちゃんが会社を立ち上げると、こういうお金に関する所が、本当に大変なんだよ。素人じゃできないからね。たぶん」
「そうか……だからお父さん……ご自分でやって、私たちを雇うっていう形にしたんですね……」
「智花ちゃん、正解。そういう事だよ。仮に塾が上手く行ったとして……将来『もっと大きな塾を立ち上げたい』って思ったら……自分で株式会社でも始めたら良い」
最初は色々と不思議だった事も……少しずつプロジェクトが進み始めると、納得する事ばかり。「流石、お父さんだ」と思った。
やっぱり頼りになる。相談して良かった……。
「で、ブログを書き始めて」
「……ブログ?」
「そう。無料のブログで構わないから、2人の気持ちを書いていくんだ。『勉強ができる人、来て下さい!』みたいな」
「なるほど……塾を探している人が検索した時に、ヒットするように……って事ですか?」
「やっぱり智花ちゃんは賢いね。そういう事」
へへへ……とはにかむ智花。周りには、私に無い物を持っている人が……沢山いる。めっちゃ心強い。
アイスコーヒーをぐびっと飲んで、お父さんが「ふぅー……」と一息。「これから色々大変だよ」と小声で言ってきた。
「次は……責任者を決めようか」
「せっ……責任者……」
「そう。できる限り、自分たちでやった方が良い。お金の問題だったり、いざという時は僕が助けるけれど……例えば電話を取ったり、面談をしたり。ちゃんと役割を明確にしておいた方が良いかな」
「確かに……どうしよ、智花」
いよいよ本格的に、細かい内容を考えないといけない。
「どう? 2人でさ『共同責任者』『ダブル社長』みたいな?」
「……英里、ちゃんと考えなさいよ……」
「考えてるってば」
「2人で面談に入ったら……誰が勉強教えるのよ」
「あっ……そうか……っていうか、今ので思ったんだけど、何時からやろうか。学校あるしさ。私たち」
「そうね……基本的に夜。電話の受付も、夕方以降みたいな感じかな。だから……電話もスマホにした方が良いかもね」
お父さんが「良いねぇ……青春だ」と言いながら、頷いている。
「あっ、そうなんです。静かにやりますので、大家さんが許可して頂けると……とても助かります」
「たぶん、大丈夫だと思いますよ。先ほども、もう1度電話で確認しておきましたので……」
「そうでしたか、ありがとうございます。良い部屋ですねぇ……ここでやれたら……良いな」
宮城さんとお父さんが色々と話をしている間、私と智花は窓の外を見ていた。
おせじにも綺麗とは言えない。でもお父さんの話だと、塾をやらせてもらえる普通の家は、ここしか無いっぽい。
6畳の部屋が2つ。リビングはたぶん……4畳くらい。古い電熱線みたいなコンロもあるし、風呂もついている。でも、ここから始まるんだ。私と智花は窓から顔を出して、無言で目を合わせた。
(……よしっ)
(やってやるぞ……)
色々と話が進み出して、正直少し緊張もしている。でもそれ以上に、私はやる気で満ちていた。
「契約が済むまで……もうちょっと具体的な事を考えていこうか」
次の日、いつものカフェ。
お父さんはルーズリーフを私たちの目の前に出してきた。パソコンで打った字がびっしりと並び、所々に、お父さんが手書きで何か付け加えていた。
「先ずは……チラシね。これでお知らせしないと。でも、あまりお金をかけるつもりは無いから……5千枚くらいにしとく」
「そっか……チラシかぁ」
「そう。基本的に僕がお金は出す。もし英里や智花ちゃんが会社を立ち上げると、こういうお金に関する所が、本当に大変なんだよ。素人じゃできないからね。たぶん」
「そうか……だからお父さん……ご自分でやって、私たちを雇うっていう形にしたんですね……」
「智花ちゃん、正解。そういう事だよ。仮に塾が上手く行ったとして……将来『もっと大きな塾を立ち上げたい』って思ったら……自分で株式会社でも始めたら良い」
最初は色々と不思議だった事も……少しずつプロジェクトが進み始めると、納得する事ばかり。「流石、お父さんだ」と思った。
やっぱり頼りになる。相談して良かった……。
「で、ブログを書き始めて」
「……ブログ?」
「そう。無料のブログで構わないから、2人の気持ちを書いていくんだ。『勉強ができる人、来て下さい!』みたいな」
「なるほど……塾を探している人が検索した時に、ヒットするように……って事ですか?」
「やっぱり智花ちゃんは賢いね。そういう事」
へへへ……とはにかむ智花。周りには、私に無い物を持っている人が……沢山いる。めっちゃ心強い。
アイスコーヒーをぐびっと飲んで、お父さんが「ふぅー……」と一息。「これから色々大変だよ」と小声で言ってきた。
「次は……責任者を決めようか」
「せっ……責任者……」
「そう。できる限り、自分たちでやった方が良い。お金の問題だったり、いざという時は僕が助けるけれど……例えば電話を取ったり、面談をしたり。ちゃんと役割を明確にしておいた方が良いかな」
「確かに……どうしよ、智花」
いよいよ本格的に、細かい内容を考えないといけない。
「どう? 2人でさ『共同責任者』『ダブル社長』みたいな?」
「……英里、ちゃんと考えなさいよ……」
「考えてるってば」
「2人で面談に入ったら……誰が勉強教えるのよ」
「あっ……そうか……っていうか、今ので思ったんだけど、何時からやろうか。学校あるしさ。私たち」
「そうね……基本的に夜。電話の受付も、夕方以降みたいな感じかな。だから……電話もスマホにした方が良いかもね」
お父さんが「良いねぇ……青春だ」と言いながら、頷いている。



