hope。

「麗~またね~」


「また明日~」


そう言って三人組が仲良さそうに腕を組みながら教室を出ていく。


そういえば先週借りた本、そろそろ期限だ……。


返しにいくついでに勉強しよ……。


そう思い勉強道具と本を持って図書室に向かう。


「今日、合コンなのー」


「何時まで?」


「十時~」


「は?十時?そんな時間まで遊び呆けてるの!?」


廊下ですれ違った女子生徒たちの会話が耳に入る。


「遊び呆けてるって~私達、高校生だよ~?」


「だから、最近うとうとうとうとしてんのね!?」


「うるさいな~それがふつーだよ~」


「はぁ?あんたね……!」


いいな……。


あの子にはあんなにも大切に思ってくれる友達がいて。


なんて……偽りだらけの私が何考えてんだろ……。


はは……と寒気がする考えを振り切りながら図書室に足を踏み入れる。


今日も静かだなぁ。


って普通か……。


「あの、本の返却で……」


「ん……」


曖昧な返答が聞こえて顔をあげるとそこにいたのは海瀬くんだった。


海瀬くん……っ…待って、これは仲良くなるチャンスかもしれない……!


一瞬抵抗が走ったけど……みんなが思う理想の私に……


なるために……っ。


「あのっ……さ、わ、私、海瀬くんと仲良くなりたくて……」


理想の自分にはなれない。