hope。

彼氏……。


本当はそんなものに一ミリも興味はない。


でも、そういう存在を作らないと、理想の自分ではいられなくなる。


本当に好きな人。


好きになるのは簡単だ。でも、特別な存在には永遠になってくれない。


そんなこと知っている。


わかっているからこそ、辛く、痛い。


「わかってるよーさすがに人の男にまで手出さないってー」


「女の嫉妬は醜いぞー」


笑っている。


必死についていこうともがくけれど。


疲れてしまう。


わかっていても、まだ……まだって疲れてる自分に気付けない。


それでも、選択肢は二つしかない。


生きるか、死ぬか。


当たり前のように『生きる』という正解にありつき、ただ今日も無で生きている。


「麗も早く彼氏、できるといいねー」


「あ…うん」


そう言ってニコッと微笑むとそそくさと自分の席に戻っていった。


今日も当たり前のように時間が過ぎ、気づけば放課後になる。