会いたい。けど、会えない。

 その日は大きな大会の出場を賭けた大事な試合だったが、準決勝で負けてしまい、俺はボイスチャットでチームリーダーから敗因を作ったと責められていると、突然話を遮られた。
 
『バッカじゃねーの? 負けたのは、前半でお前が制止も聞かないで勝手に突っ込んで自滅したからだろ。千隼のサポートは完璧だったよ』
 
 いつものメンバーに急遽欠員が出て、ピンチヒッターで参加した佑真さんがリーダーに楯突き始めたのだ。
 
『はぁ? そんなわけねーだろ』
 
『まぁ、下手くそには分からないよな。下手だから』
 
『っ! ふざけるなっ!』
 
(俺のせいで……)
 
 空気がどんどん重たくなっていき、耐えかねた俺は小さく声を上げた。
 
「あ、あの……。俺がもっと頑張っていれば、負けなかったと思うから……」
 
『はぁ? あれ以上何を頑張るっていうんだよ。千隼がいなかったら、コイツらなんて初戦敗退レベルだぞ。なのに、こんなバカにされて悔しくないわけ? コイツらとゲームして楽しいわけ?』
 
「それは……」
 
 佑真さんに指摘され、俺は言葉に詰まってしまう。
 
(確かに、最近は純粋にゲームを楽しめずにいた……。でも……)
 
「……」
 
(それでも役に立てるなら……。また誘ってくれるなら……)
 
『別に、俺らは千隼なんかいなくても余裕だよ。だいたい、千隼はつまらない奴だし、そろそろメンバーチェンジしようって言ってたしな』
 
(えっ……)
 
 思ってもみなかったチームメイトの言葉に俺は呆然とし、ヘッドフォンから聞こえる声が遠のいていくように感じられた。
 
 仲間だと思っていたチームメイトに、あっさりと手のひらを返されたことはもちろんだが、自分がそんなにも不要な存在であったのかとショックが大きかった。
 
『ふざけるなっ!』
 
 耳から遠のいていた声が嘘のように、俺の耳に佑真さんの声が響いた。
 
(佑真さん……)
 
 まるで自分のことのように怒りを露わにする佑真さんの声に、俺の胸は熱くなった。
 
『それなら来週、千隼とオレで組むからオレたちと勝負しろよ。それで勝ったら……オレが千隼を貰う』