会いたい。けど、会えない。

(イケボで優しくって……。でも、ちょっと口が悪い……そんな佑真さんが……)
 
『なぁー、俺がそっちまで行くからさー。一緒にいこうぜー』
 
「そ、それはちょっと……」
 
 佑真さんのゲーム実況配信終了後にボイスチャットを始めると、俺の近所に完成したアミューズメントパークの話になってしまい、俺は返事に困ってしまう。
 
 佑真さんは人気ゲーム実況配信者であったが、俺とは配信外で毎日のようにゲームをする仲だった。
 
「オレに会いたくない?」
 
「そういうわけじゃ……でも……」
 
 俺は何も言えず、ただ黙ることしかできなかった。
 
「……分かったよ。それより、待たせて悪かったな。配信が結構盛り上がっちゃってさー」
 
「うん……」
 
 いつものように、気まずくならないようにと気を遣って話題を変えてくれる佑真さん。
 
 そんな佑真さんの優しさに俺は甘えていると自覚しながら、胸の奥が痛いほど締め付けられた。
 
(俺だって会って……目を見て話してみたいよ。SNSにアップされてる、顔を隠した写真じゃなくて佑真さんの素顔を……笑った顔をちゃんと見てみたいよ。けど、本当の俺を……引きこもりで目を見て話せない俺なんて、佑真さんだって……)
 
 俺は首を静かに横に振る。
 
(違う……。佑真さんはどんな人間でも受け入れてくれる優しい人だ。けど、もし本当の俺を知ってしまって、今の関係が崩れてしまったら……。結局、俺は怖がって何も変われないんだ……)