強烈な音が街中に響き、連動するように人の悲鳴が飛び交い始めた。
青空の元、あまりの騒ぎに鳥たちも飛び立ち、辺りは騒然とする。
車道2車線のよくある道路。歩行者信号が青になり、一歩を踏み出した瞬間だった。俺よりもすこし前を歩いていた同じ制服を着た人は、一瞬でその場から姿を消した。
俺は固まったまま動けなかった。
その場に立ち尽くしたまま、横断歩道の白を呆然と見つめる。横断歩道はなぜシマシマなのか。どうして白一色ではダメなのか。シマシマ模様に、なんの意味があるのか。どうでもいいことを考えながら、奥から手前にかけて目線を動かす。シマシマ、シマシマ。なんでシマシマなんだろう?
シマシマに対する好奇心が抑えきれない。
あ、そういえば。
今消えた人が背負っていたリュックも、横断歩道みたいなシマシマだったな。



