その名は時間管理局


 ============== これは、勿論フィクションです。 =======
 俺の名は、加賀見進。別名「異次元の殺し屋・万華鏡」。次元を渡り歩く殺し屋をしていたが、時間管理局に『異動』になった。俺の使命は、この未来世界(3026年)から、所謂タイムリープをして逃げた犯人を追って、『悪さ』をしていた場合、逮捕し、局に移送させることだった。殺しはしないが、痛め付けること位は許されている。
 今の俺は、『異次元のパトロール警官』。次元の『調整係』だ。

 午前9時。時間管理局。
 出勤するなり、ボスは言った。
 「五十嵐、アイドルは好きか?カミさんがアイドルなんて言うなよ。」
 「女房がアイドルです・・・でした。遭った時、この人と一緒になりたいな、って思って。でも、何故か一緒になって。」
 「おのろけか。まあいい。かな子もお前が忘れられなかったようだ、何年も、管理官の誘いに乗って、エージェントになったんだから。さて、本題だ。場所は『徒の国』。お前がピーターと良子に遭った次元だ。今、突然クーデターを起こした女がいる。『差異』を探ると、時間軸が2009年の時に始まっている。その頃、アカベ99という女性グループが活躍しだした。歌は斉唱だが、奇抜なコスチュームとダンスが特徴だった。」
 「了解しました。そのグループ関連で何かあったんですね。サイン帳とか。」
 俺は、MRIに似た、時限移送装置に横たわった。

 2009年。『徒の国』。
 大衆食堂に行き、情報収集した。
 おしゃべりなオバサンは、どこにもいるものだ。
 オバサンによると、それまで人気絶頂だった『朝娘。』が落ち目になり、入れ替わりにアカベ99のグループや姉妹グループが台頭してきた。
 『朝娘。』は、ちょっとしたトラブルが続いたのは事実だが、素人っぽいのが仇になったのでは?とオバサンは分析した。そして、複数のグループ全体でファン投票をする『総選挙』も人気のバロメータになったとも。
 オバサンは、ご親切にマガジンラックの雑誌を持って来て説明してくれた。
 俺は、思わず声を上げるところだった。
 未来でクーデターの中心になっている人物が、朝娘。の中にいる。
 そうか。未来人が、この子を唆して、未来へ連れ帰ったのか。
 いや、どうやって?
 見直して分かった。似ているが、少しほくろの位置が違う。
 朝娘。の子孫だ。
 何か『遺言』を残したのか。
 俺は、精算を済ませ、オバサンに礼を言った。

 俺が出て行く時、オバサンがかつらを取ったことは、その時は知らなかった。

 朝娘。握手会会場。
 俺は、その子に握手した時囁いた。
 「悪いようにはしない。未来人に会わせてくれ。」

 3時間後。
 その子が指定した場所に、その子と、未来人の子がいた。
 俺は身分を明かした。
 未来人の子、タアは、朝娘。詠子に日記を書かせていた。
 タアに日記の隠し場所を聞き、俺は取りに行って帰った。
 「タア。俺は、檻に直接送ることも出来るが、一緒に帰ろう。その代わり、お前を雇った人間のことを係員に話すんだ。詠子は、今日のことは忘れろ。」
 俺は、詠子に暗示をかけ、タアを連れて帰った。

 3026年。時間管理局。
 タイムカードを押すと、ボスは言った。
 「タアは自供を始めた。情状酌量はあるだろう。『徒の国』は元に戻った。だが・・・。」
 「だが・・・?」

 帰宅すると、あのオバサンがいた。
 「進。あの子と寝たかどうか、確認させてね。」
 悪魔のような微笑みだった。

 ―完―