その名は時間管理局


 ============== これは、勿論フィクションです。 =======
 俺の名は、加賀見進。別名「異次元の殺し屋・万華鏡」。次元を渡り歩く殺し屋をしていたが、時間管理局に『異動』になった。俺の使命は、この未来世界(3026年)から、所謂タイムリープをして逃げた犯人を追って、『悪さ』をしていた場合、逮捕し、局に移送させることだった。殺しはしないが、痛め付けること位は許されている。
 今の俺は、『異次元のパトロール警官』。次元の『調整係』だ。

 午前9時。時間管理局。
 出勤するなり、ボスは言った。
 「五十嵐、恐慌ってのを知っているか。」
 良かった。好き嫌いの質問でなくて。
 「昔、世界的な恐慌があった、と聞いたことがあります。」
 「うん。今回は、珍しく依頼人がいる。その前にシステムが差異を見付けたんだが。場所は『素の国』。お前が白石教授と出逢った次元だ。時間軸は、1989年と思われる。差異の内容は、この年に、世界恐慌をルポした出版物があった。ところが、3026年の今日、その記録が消えている。依頼人というのは、その著者の子孫だ。誰もが記憶から消えているにも拘わらず、彼は覚えていた。先祖を尊敬していたんだな。誰も信じないので、『素の国』政府を通じて時間管理局に確認を求めて来た。で、今言ったように、システムは既に差異を確認している。そこで、君の使命だが・・・。」
 「著書を葬った奴を捕まえ、著書を復活させることにある、ですね。」
 「今、言おうと思ってたのにぃ。」

 俺は、ボスを無視して、MRIに似た移送同地に寝転がった。
 そのルポによる本は高く評価され、後世に影響を与えた。賞も取ったらしい。

 1989年。『素の国』。
 図書館巡りをし、出版された日から逆算して、その出版社を1日刻みで『訪問』した。
 いた。
 原稿を読んで、出版に回さなかった人物がいた。正確に言うと、責任者の代理と称する者が間に入って、違う原稿とすり替えてしまった。
 もう1日前にリープして、その男が出版社の外から様子を伺っているのを確認した。
 「成程。一緒にルポしたインタビュアか。お前を連れて来たシッパーは戻ってこないぞ。お前はこの時代に取り残され、一生を送ることになる。反省しろ。」と、俺は、彼を『保安檻』に送った。

 午後5時。タイムレコーダーシステムに体内時計をスキャンさせた。15分オーバーだ。
 減給か?厳しいな。
 「減給はない、その罰則は無くなった。だが、程度を考えろ。残業手当はない。ああ。『素の国』の政府からも依頼人からも礼を言ってきた。著者の子孫と言っていた人物はいなかった。まあ、歴史は修復された。」

 午後8時。帰宅すると、かな子は袴羽織を着ていた。
 「今日、せいじんのひだから。」
 衣装が違う気がしたが、「おめでとう。」と言った。

 新しいクローゼットがあった。
 開けて見て後悔した。
 コスプレ衣装がずらり。
 遠回しに「早く子供欲しい」と言っているのかも。
 振り返ると、かな子はニンマリしていた。

 神様!!

 ―完―