その名は時間管理局


 ============== これは、勿論フィクションです。 =======
 俺の名は、加賀見進。別名「異次元の殺し屋・万華鏡」。次元を渡り歩く殺し屋をしていたが、時間管理局に『異動』になった。俺の使命は、この未来世界(3026年)から、所謂タイムリープをして逃げた犯人を追って、『悪さ』をしていた場合、逮捕し、局に移送させることだった。殺しはしないが、痛め付けること位は許されている。
 今の俺は、『異次元のパトロール警官』。次元の『調整係』だ。

 午前9時。時間管理局。
 出勤するなり、ボスは言った。
 「五十嵐、高い所と女房、どっちが苦手だ?」
 「そりゃあ、にょ・・・。」
 「高い所、だよね。」
 答、決まってるならきかなくていいと思うが。
 「答、決まってるならきかなくていいと思うが、って?それじゃ、面白くないだろう。差異が生じたのは、『火乃本国』。お前がホワイトホールに悪い職員達を葬った次元だ。ちょっと行きすぎだが、まあいいだろう。で、3026年では、『東洋スカイツリー』の2つの展望台の内、地上350メートルの方の展望台が閉鎖されたままだ。オープンした2012年には、地上350メートルの付近と地上450メートルの付近に展望台があった筈だが、2013年には閉鎖されている。それが差異の原因と考えられる。1個でもありゃあいいじゃないか、って言えるか?」
 「言えませんね。じゃ、シッパーが何らかの未来の技術あるいは超能力で『封印』したんですか。地上450メートルの方の展望台は無事なんですよね?」
 「うん。エレベーターは、そこを素通りして450メートルまで上がる。」

 俺は、何時までも馴染めない、MRIに似た移送装置に横たわった。
 睡眠学習によると、電波塔として活躍した東洋タワーの老朽化と、電波のデジタル化切り替えの為、新しく東洋スカイツリーがオープンしたようだ。惜しむ声もあり、他の用途もあって、東洋タワーも残された。

 2013年。『火乃本国』。
 レーダー照射事件にバイトテロ事件。この年も事件が多い。
 東洋スカイツリーの近くのインターネットカフェでタイムリープして順に探しだした。
 2月1日に、異変が起きた。
 突如、エレバーターは350メートルの展望台で爆発事故が起こったのだ。
 一時運行停止して、復旧に1ヶ月かかった。死者は100人。
 そうか。エレベーターが止まれなくなったんじゃない。止まらないようにしたんだ。
 俺は、1月31日にタイムリープして、展望台をうろついていたら、見付けた。
 明らかに、この時代のファッションの素材ではない服を着た、ミニスカのオンナを。
 俺は、元々センスの悪い背広を着ているから目立たない。
 彼女は、溶け込んでいると思い込んでいるが、やはり違う。メイクもだ。
 そして、バッグ。
 セカンドバッグはいいとして、スーツケースは目立たないようで目立つ。
 やはり、素材が違うから。
 拳銃を持った男が周囲を見回し、「みんな動くな!」と、無声映画の台詞みたいなのを言った。モデルガンか。
 現地調達のバイト君か。つまり、陽動だ。
 それとなく逃げたオンナを追うと、売店の1つに逃げ込んだ。
 俺は、そっと『見えない鎖』で縛り、『保安檻』に送った。
 そして、バイト君に近寄り、こう言った。
 「撮影、終ったよ。」
 俺は、足早に移動し、未来に跳んだ。

 午後5時。タイムレコーダーシステムに体内時計をスキャンさせると、ボスが言った。
 「エレベーターの故障じゃなかったとはな。流石、五十嵐は『オンナ』を見る目があるな。管理官とも・・・。」
 「お先でーっす。」

 午後7時。 帰宅すると、『ヤマンバ』がいた。
 「2013年は、もうそれ、終ってる。実は、時代に合わせた積りのシッパーに、ガン黒の跡があったんだ。かな子。サービスするから、そのメイク、止めて。」
 「やっほーーーいい!!」
 そう言って、彼女は洗面所に向かった。さては・・・。


 ―完―