その名は時間管理局


 ============== これは、勿論フィクションです。 =======
 俺の名は、加賀見進。別名「異次元の殺し屋・万華鏡」。次元を渡り歩く殺し屋をしていたが、時間管理局に『異動』になった。俺の使命は、この未来世界(3026年)から、所謂タイムリープをして逃げた犯人を追って、『悪さ』をしていた場合、逮捕し、局に移送させることだった。殺しはしないが、痛め付けること位は許されている。
 今の俺は、『異次元のパトロール警官』。次元の『調整係』だ。

 午前9時。時間管理局。
 出勤するなり、ボスは言った。
 「五十嵐、竜巻は好きか?」
 「昆布巻なら好きです。」「面白いじゃないか。」
 ボスの定例行事にも慣れて来た。
 最初の謎かけは、目的地のヒントになっている。
 「差異が生じたのは、大竜巻が起こった場所は『又の国』、お前が少女と氷問答をした次元だ。時間軸は2006年。大竜巻は何度も起こってはいるが、3026年の大物政治家は、データベースでは存在しない。差異を辿ると、2006年。11月早朝だ。」
 「また、遺族かな?シッパーに『ご先祖が可哀想だと思わないか?』と言われれば、付いて行ってしまう。」
 「まあ、その線かな。」

 MRIに似た移送装置の睡眠学習で、現在の大物政治家とご先祖を見せられた。何となく似てる。やhりDNAか。

 2006年。『又の国』。大竜巻が起こった前日。
 自転車を漕いでいた中年の男と、少年が対峙している。
 町長は、「明日にしてくれないか。会議で遅くなって、おまけに列車が遅れたんだ。」と言った。
 俺は、夕暮れの暗い中、少年を数十メートル先に跳ばした。
 「町長。言って下さい。あの子は、母親を亡くして動転しているんです。俺が説得しますから。」
 「誰かは知らんが、恩に着る。あの子の知り合いなんだね。あとはよろしく頼む。」
 心が痛んだ。
 町長は、明日早朝の竜巻の犠牲者の一人だ。
 俺は、少年のところに跳んだ。
 「君を未来から連れて来た奴は、どこに行った?」
 「明日、迎えに来るって・・・。」
 俺は、首を横に振った。
 「多分、来ない。奴は『時間の掟破り』の犯罪者、俺は、時間警察だ。一緒に帰ろう。俺の上司に言って『情状酌量』して貰うように申請する。」
 「でも、ご先祖は明日死んじゃう。」「気持ちは分かる。でも、死ぬ運命の人を救うことで、他の人の人生がスタートしないかも知れないんだ。一緒に帰ろう。」

 3026年。俺は、予定より早く帰れた。
 午後5時。時間管理局。
 連絡が来ない場合は、明日以降だ。
 「ただ今。五十嵐。『反省文』で済んだ。その代わり、『拉致』された時の状況を詳しく報告させた。お前も帰っていいぞ。」
 俺は、安堵して、タイムレコーダーシステムに体内時計をスキャンさせた。

 午後7時。自宅。
 かな子は、妙な服を着ていた。
 昆布巻き?まさか。
 「今、流行ってるの?ああ、もうすぐお正月だから、おせち見ていて、思いついたんだね、おもしろーい。」
 夕食が終った後、かな子は言った。
 「さあ、一足早い、お、せ、ち。召し上がれ。」
 昆布巻きの下は・・・。

 ―完―