その名は時間管理局


 ============== これは、勿論フィクションです。 =======
 俺の名は、加賀見進。別名「異次元の殺し屋・万華鏡」。次元を渡り歩く殺し屋をしていたが、時間管理局に『異動』になった。俺の使命は、この未来世界(3026年)から、所謂タイムリープをして逃げた犯人を追って、『悪さ』をしていた場合、逮捕し、局に移送させることだった。殺しはしないが、痛め付けること位は許されている。
 今の俺は、『異次元のパトロール警官』。次元の『調整係』だ。

 午前9時。時間管理局。
 出勤するなり、ボスは言った。
 「五十嵐、ゲームは好きか?」
 「嫌いじゃないけど、やってたのは学生時代ですが。」
 「いきなり、好きなゲームが消えたらどうる?というか、違うゲームの会社だったら?」
 「合併とかの話じゃないですよね。」
 「冴えてるねえ、五十嵐君。いつもその調子で頼むよ。差異が生じたのは、『元(げん)の国』。君が殺人教唆を暴いた国だ。時間軸は、1985年。この年に日本初の、いや、世界初のゲーム『ホームコンコン』を発売したのが、任意道という会社だ。ところが、3026年、『元見総』という会社に置き換わっている。」
 「シッパーが、何かやらかした、と。」
 「流石、五十嵐君。見事な推理力。」
 「ボス。なんでやたら褒めるんですか?」
 「あ。君のボーナス、出ないことが決まった。『差異』じゃないよ。シッパーは絡んでいない。奥さんに角生えてたら、弁護するから連絡して。」

 俺は、黙って、移送装置に寝た。

 睡眠学習中、ペーパーゲーム作ってた会社がボロもうけしている、という噂があった。他の会社の『恨み節』だろうとも言われていた。
 まさか、前回みたいに子孫の仇討ちじゃないだろうな。
 奴は、わざと『踏切侵入事故』を起こし、脱線事故を起こすことを防ごうとしていた。
 湯治の世間では、会社の方針が歪んだ義務感を生んだ結果だと言われていたが、俺が調査した所、「イジメ」で運転士に圧力をかけていた先輩鉄道マンがいた。
 詰まり、彼は、義務感で「遅れ」を取り戻そうといたのではなく、先輩に対する恐怖感が強かったのだ。
 ところで・・・。

 1985年。『元(げん)の国』。任意道本社。
 役員会議で、大いに揉めている。
 「今、それどころじゃないでしょう。合併より先に、売り出して、発売して利益を出すことが先決です。」
 社長の前には、札束のピラミッドがある。
 その前でにこにこしている男がいた。
 俺は、用意した手錠をその男にかけた。
 「■◇〇◎※+-/◇▼・・・。」
 男は、わけの分からない言葉で怒った。
 「贈収賄は、日本では重い罪です。知ってますよね、シッパーさん。」
 この言葉は相手に理解出来たらしい。
 ドアを開けて出て行ったが、また違うドアから入って来る。
 何度か、それを繰り返して見せてくれた。
 「私は、専務さんに1票。手品は、ここでお仕舞い。」
 そう言って、俺は未来から来たシッパーの手下を『保安檻』に送った。
 俺が両手を広げ、ブーケを出現させると、専務が拍手をし、役員達は拍手しだした。
 俺は、堂々とドアから出た。

 そして、3026年に帰って来た。

 3026年。時間管理局。
 ボスは、システムで『差異』が無くなったことを確認していた。

 午後7時。この未来世界の『電車』に乗り、帰宅すると、かな子の頭に角が生えていた。
 俺は、スマホでボスに連絡しようとすると、かな子は俺の手を叩き、カードを出した。
 瞬間、カードを放ると紙に変っていた。
 ボーナスの引き落とし通知書だった。

 「お疲れさま。さあ、私の魔法、見たい?」
 「はい。」

 ―完―

 ※1985年は、任天堂「ファミコン」がブームになった年です。
 色んなゲームが発明・発売され、世界に進出しました。