8月上旬。サークル夏合宿という名の1泊2日旅行は、海でビーチスポーツを楽しみ、夜はバーベキューを行う。この合宿は、夏でサークルを引退する4年生への送別会も兼ねている。
1日目はビーチバレーと海遊び。ビーチが想像以上に暑くてもう半分以上体力が奪われた気がする。
「あちぃ…」
「えー、日焼け止め意味ないくらい焼けそうなんだけどー!」
「もうちょい日が落ちてからにしようよー」
「お前ら文句言うんじゃねぇ!ギラギラの太陽の下でするからいんだろが!」
全員お揃いのサングラスをかけ、ゲーム開始だ。学年ごとのチームに分かれ、好きなタイミングで交代可能。
「能勢!平賀!水森!ぜってー勝つかんな!!」
「おう!」
「任せて!」
「高級和牛はいただきじゃい!!」
優勝チームは、夜のバーベキューで高級和牛肉を特別に食べられる。
汗と砂でドロドロになりながら試合はついに決勝戦。俺たち2年と4年の対決だ。
「引退する相手でも容赦しないんで!」
「最上級生の力見せつけてやるぜ」
1年と3年の声援が飛び交う中、白熱したラリーが続く。
「須藤ー!いけーーっ!」
須藤のスパイクは部長へ一直線。
「っしゃー!あがったぁー」
部長のレシーブは高く上がり、副部長がトスをする。
「4年生なめんなよ!」
力強いスパイクは、俺と須藤の間に落ちた。
「…すげぇ」
見事優勝したのは4年生チームだった。須藤は手をマイク風にし、部長にインタビューをする。
「試合お疲れ様です。ずばり勝因は何でしょうか?」
「えー、そうですねぇ、まぁチームワークですかね。あとは…肉に対する熱い思いが強かったと思います」
「なるほど。…皆さん、素晴らしい最後を飾った4年生チームへ大きな拍手を!」
夜はお待ちかねのバーベキュータイム。1、2年で肉や野菜を焼いていく。念願の和牛に4年生は感動している。
「うめぇー!」
「やっば!口ん中でとけるとける!」
4年生には、入部した頃から可愛がってもらった。俺と須藤の悪ふざけを許してくれて、一緒に楽しんでくれた。大学を卒業するまで半年あるが、毎週のように会えなくなるのは寂しい。
今年は大部屋ではなく、2人1部屋で割り振りされ、俺は須藤と同部屋だ。
シャワーを浴び終え、布団に寝転びスマホをいじっていた。
隣の布団に座った須藤は「すげーヒリヒリする」と日焼けした顔を両手で押さえている。
「日焼け止め塗ったの?」
「うん、平賀に良い日焼け止め借りた」
「女子が使ってるのって、まじで焼けねーよな」
「あんだけ汗かいたから効果薄れたんだろうな」
特別な夜は、何でいつもと違う話をしちゃうんだろうな。
「…須藤さ、気になる人とかいねーの?」
「んー、葵ちゃんかな」
「そういう冗談いいから」
「……冗談じゃないって言ったら、どーすんの?」
「…え?」
ー…可愛い。
それが能勢への第一印象。
高1の5月、よく知らない隣のクラスの女子に告白され、特に断る理由も無くて付き合うことにした。
彼女は昼休みや放課後はなるべく一緒にいたい派で、昼ご飯を一緒に食べるため隣の教室へ行った時に能勢と会った。
たまたま彼女の席に近かった能勢と話すようになり、気づけば遊ぶ約束をするほど仲良くなった。
「え、別れた!?」
「うん」
2学期が始まり、彼女と別れた事を伝えると能勢はかなり驚いていた。
「毎日教室に会いに来るぐらい仲良しだったじゃん。夏休み中に何があったんだよ」
「別に何もー」
…言えるわけなかった。能勢のことが好きになったから彼女を振ったなんて。
最初は勘違いだと思った。能勢に会うとドキドキするのは、友達として一緒に居て楽しいからだって思ってた。
だけど、能勢の表情一つ一つに目が離せず、能勢の手や髪に触れたいと考え始めた時には…もう恋だった。
能勢も俺も女子が恋愛対象で、この想いを能勢に伝えるどころか、誰かに言うなんて口が裂けても無理だと分かっていた。
だから、いつかこの気持ちが薄れると信じて、親友という都合の良いポジションでい続けると決めた。
運良く高2、高3は同じクラスになれて、修学旅行は班行動できたし、卒業旅行も共に楽しんだ。
同じ大学に進み、学科もサークルも一緒で、常に行動を共にしている。
もし、能勢に彼女が出来てもそれは仕方ないことだと受け入れる自信があった。
学園祭で女装した能勢は、死ぬほど可愛くて、このまま本物のカップルになれるんじゃないかって勘違いしてしまいそうだった。
能勢と柚原さんが絡むようになって、心のどっかで嫌な予感がしていた。
そしてあの日、俺の胸で泣く能勢を見て、俺が守らなきゃって思ったし、泣かせた柚原さんを許せなかった。
「…柚原さんと付き合ってる」
2年生になって、能勢から柚原さんと交際していると報告され、想像していなかった結果に言葉を失った。
ー能勢、男と付き合えるんだ…。
俺が触れたかった手に、髪に、頬に、唇に…柚原さんは好きなだけ触れられるんだ。
悔しい気持ちよりも、勝手に能勢は男を好きにならないと決めつけて、何のアクションも起こさず、隣にいた自分をぶん殴りたくなった。
もし今、約1500日分の本気の想いを伝えたら俺を選んでくれんのかな…。
無駄にずっと側にいたわけじゃない。目の前の能勢の表情で、戸惑い困っていることぐらい分かる。…これからも親友でいるのは許されるよな?
「…ばーか。嘘に決まってんだろ?真に受けて黙んなって」
「…っ真に受けてねぇよ!もう電気消すぞ」
「うん、おやすみー」
「おやすみ」
布団の中でそっとスマホ画面を見た。ポニーテール姿の能勢と寄り添うツーショットは、見るたびに幸せになる。…偽物のカップルだったとしても、この待受は俺の宝物だ。
柚原さんたちが留学に行って約1ヶ月。柚原さんの家で過ごすのは2回目だ。
柚原さんの香りが残る部屋に自分しかいないのはすごく不思議な感覚になる。
シャワーを借りて、ベットの上に寝転んだ。
「ふぅー…」
柚原さんと乙倉さんが行ったのはイギリス。だから時差の関係でなかなかゆっくり連絡が取れない。
会えないことも連絡が取れないことも、想像以上にくるものがある。
「会いてぇ…」
だけど、遠い国で頑張っている柚原さんにそんなわがままは言えない。きっと俺以上に寂しい思いをしているのは柚原さんだし。
柚原さんはこれから就活で忙しくなるだろうし、先に社会人になる。少しずつ生活リズムの差が生まれてきて、すれ違うこともあるんだろうな。
23時過ぎ、うとうとしている枕元でスマホの着信が鳴った。
ー柚原さんっ…!
急いで起き上がり通話ボタンを押した。
「もしもし」
「もしもし、ごめん起こしちゃった?」
「いえ、大丈夫です」
「よかった。いつもより早く授業が終わって、今電話したら間に合うかなと思って」
…久しぶりの柚原さんの声。あぁ、すげぇ落ち着くな。
話したいことは沢山あるはずなのに、それよりも柚原さんの話を聞きたい、声を聞きたいと思った。
「翠くん、今ひとりですか?」
「うん、光はシャワー浴びてる」
「1つわがまま言ってもいいっすか?」
「ん?なぁに?」
「サビだけでいいんで、なんか歌ってほしいです」
「え、歌!?」
「うん、聴きたくなって…」
「…いいよ。何の曲がいい?」
「じゃあ…初めて行ったライブで弾き語りくれたやつ!」
「うん、分かった。じゃあ、聴いててね……」
電話越しに甘く優しい歌声が聴こえる。目を閉じたらあの日みたいに手を握って、目の前で歌われている気分になった。
「ありがとうございます」
「いえいえ。…あと2週間ちょっと会えないけど、ごめんね?」
「会ったらいっぱいハグしてくださいね」
珍しく甘えてみた。
「もちろん、嫌がってもずっとぎゅーってする」
「あはっ、ずっとは困りますね」
「えーいいじゃーん。…じゃあ、そろそろ切るね」
「はい」
「愛してるよ、おやすみ」
「おやすみなさい」
9月下旬、夏休みも終わり通常の大学生活が再開した。
俺の周りでは、いくつか変化があった。平賀は高見さんと付き合うことにしたらしい。水森は、乙倉さんにデートに誘われたそうだ。
そして俺は、留学から帰って来た柚原さんと同棲について話し合いを始めた。
「同棲をするためにも、ちゃんと葵ちゃんのご両親に挨拶に行きたいと思ってる」
「それって、俺たちが付き合ってることを言うってことですよね?」
「うん。…嫌?」
「嫌じゃないですけど……」
同棲をするために乗り越える壁は、いくつあるんだろう…。
柚原さんを好きになる時、俺の前にはいくつもの壁があった。相手は芸能人みたいな人気者、女装姿じゃなくてもいいのか、男同士の恋…。その壁たちをどうやって乗り越えようか1人考えていたが、その必要はなかった。
柚原さんはその壁を元々無かったかのように壊してくれた。ただの真っ直ぐな道に変えてくれた。
「少し不安ですけど…翠くんがいれば大丈夫です!」
笑顔で言った俺を抱きしめた柚原さん。
「ずっとそばに居るし、2人なら大丈夫だから」
きっとこれから先も、この人とならどんな壁も身軽に乗り越えていけるんだろうな。
乗り越えた先には、言葉では表せない幸せが待っている。
モテモテの先輩が好きになったのは、男の俺でした。
1日目はビーチバレーと海遊び。ビーチが想像以上に暑くてもう半分以上体力が奪われた気がする。
「あちぃ…」
「えー、日焼け止め意味ないくらい焼けそうなんだけどー!」
「もうちょい日が落ちてからにしようよー」
「お前ら文句言うんじゃねぇ!ギラギラの太陽の下でするからいんだろが!」
全員お揃いのサングラスをかけ、ゲーム開始だ。学年ごとのチームに分かれ、好きなタイミングで交代可能。
「能勢!平賀!水森!ぜってー勝つかんな!!」
「おう!」
「任せて!」
「高級和牛はいただきじゃい!!」
優勝チームは、夜のバーベキューで高級和牛肉を特別に食べられる。
汗と砂でドロドロになりながら試合はついに決勝戦。俺たち2年と4年の対決だ。
「引退する相手でも容赦しないんで!」
「最上級生の力見せつけてやるぜ」
1年と3年の声援が飛び交う中、白熱したラリーが続く。
「須藤ー!いけーーっ!」
須藤のスパイクは部長へ一直線。
「っしゃー!あがったぁー」
部長のレシーブは高く上がり、副部長がトスをする。
「4年生なめんなよ!」
力強いスパイクは、俺と須藤の間に落ちた。
「…すげぇ」
見事優勝したのは4年生チームだった。須藤は手をマイク風にし、部長にインタビューをする。
「試合お疲れ様です。ずばり勝因は何でしょうか?」
「えー、そうですねぇ、まぁチームワークですかね。あとは…肉に対する熱い思いが強かったと思います」
「なるほど。…皆さん、素晴らしい最後を飾った4年生チームへ大きな拍手を!」
夜はお待ちかねのバーベキュータイム。1、2年で肉や野菜を焼いていく。念願の和牛に4年生は感動している。
「うめぇー!」
「やっば!口ん中でとけるとける!」
4年生には、入部した頃から可愛がってもらった。俺と須藤の悪ふざけを許してくれて、一緒に楽しんでくれた。大学を卒業するまで半年あるが、毎週のように会えなくなるのは寂しい。
今年は大部屋ではなく、2人1部屋で割り振りされ、俺は須藤と同部屋だ。
シャワーを浴び終え、布団に寝転びスマホをいじっていた。
隣の布団に座った須藤は「すげーヒリヒリする」と日焼けした顔を両手で押さえている。
「日焼け止め塗ったの?」
「うん、平賀に良い日焼け止め借りた」
「女子が使ってるのって、まじで焼けねーよな」
「あんだけ汗かいたから効果薄れたんだろうな」
特別な夜は、何でいつもと違う話をしちゃうんだろうな。
「…須藤さ、気になる人とかいねーの?」
「んー、葵ちゃんかな」
「そういう冗談いいから」
「……冗談じゃないって言ったら、どーすんの?」
「…え?」
ー…可愛い。
それが能勢への第一印象。
高1の5月、よく知らない隣のクラスの女子に告白され、特に断る理由も無くて付き合うことにした。
彼女は昼休みや放課後はなるべく一緒にいたい派で、昼ご飯を一緒に食べるため隣の教室へ行った時に能勢と会った。
たまたま彼女の席に近かった能勢と話すようになり、気づけば遊ぶ約束をするほど仲良くなった。
「え、別れた!?」
「うん」
2学期が始まり、彼女と別れた事を伝えると能勢はかなり驚いていた。
「毎日教室に会いに来るぐらい仲良しだったじゃん。夏休み中に何があったんだよ」
「別に何もー」
…言えるわけなかった。能勢のことが好きになったから彼女を振ったなんて。
最初は勘違いだと思った。能勢に会うとドキドキするのは、友達として一緒に居て楽しいからだって思ってた。
だけど、能勢の表情一つ一つに目が離せず、能勢の手や髪に触れたいと考え始めた時には…もう恋だった。
能勢も俺も女子が恋愛対象で、この想いを能勢に伝えるどころか、誰かに言うなんて口が裂けても無理だと分かっていた。
だから、いつかこの気持ちが薄れると信じて、親友という都合の良いポジションでい続けると決めた。
運良く高2、高3は同じクラスになれて、修学旅行は班行動できたし、卒業旅行も共に楽しんだ。
同じ大学に進み、学科もサークルも一緒で、常に行動を共にしている。
もし、能勢に彼女が出来てもそれは仕方ないことだと受け入れる自信があった。
学園祭で女装した能勢は、死ぬほど可愛くて、このまま本物のカップルになれるんじゃないかって勘違いしてしまいそうだった。
能勢と柚原さんが絡むようになって、心のどっかで嫌な予感がしていた。
そしてあの日、俺の胸で泣く能勢を見て、俺が守らなきゃって思ったし、泣かせた柚原さんを許せなかった。
「…柚原さんと付き合ってる」
2年生になって、能勢から柚原さんと交際していると報告され、想像していなかった結果に言葉を失った。
ー能勢、男と付き合えるんだ…。
俺が触れたかった手に、髪に、頬に、唇に…柚原さんは好きなだけ触れられるんだ。
悔しい気持ちよりも、勝手に能勢は男を好きにならないと決めつけて、何のアクションも起こさず、隣にいた自分をぶん殴りたくなった。
もし今、約1500日分の本気の想いを伝えたら俺を選んでくれんのかな…。
無駄にずっと側にいたわけじゃない。目の前の能勢の表情で、戸惑い困っていることぐらい分かる。…これからも親友でいるのは許されるよな?
「…ばーか。嘘に決まってんだろ?真に受けて黙んなって」
「…っ真に受けてねぇよ!もう電気消すぞ」
「うん、おやすみー」
「おやすみ」
布団の中でそっとスマホ画面を見た。ポニーテール姿の能勢と寄り添うツーショットは、見るたびに幸せになる。…偽物のカップルだったとしても、この待受は俺の宝物だ。
柚原さんたちが留学に行って約1ヶ月。柚原さんの家で過ごすのは2回目だ。
柚原さんの香りが残る部屋に自分しかいないのはすごく不思議な感覚になる。
シャワーを借りて、ベットの上に寝転んだ。
「ふぅー…」
柚原さんと乙倉さんが行ったのはイギリス。だから時差の関係でなかなかゆっくり連絡が取れない。
会えないことも連絡が取れないことも、想像以上にくるものがある。
「会いてぇ…」
だけど、遠い国で頑張っている柚原さんにそんなわがままは言えない。きっと俺以上に寂しい思いをしているのは柚原さんだし。
柚原さんはこれから就活で忙しくなるだろうし、先に社会人になる。少しずつ生活リズムの差が生まれてきて、すれ違うこともあるんだろうな。
23時過ぎ、うとうとしている枕元でスマホの着信が鳴った。
ー柚原さんっ…!
急いで起き上がり通話ボタンを押した。
「もしもし」
「もしもし、ごめん起こしちゃった?」
「いえ、大丈夫です」
「よかった。いつもより早く授業が終わって、今電話したら間に合うかなと思って」
…久しぶりの柚原さんの声。あぁ、すげぇ落ち着くな。
話したいことは沢山あるはずなのに、それよりも柚原さんの話を聞きたい、声を聞きたいと思った。
「翠くん、今ひとりですか?」
「うん、光はシャワー浴びてる」
「1つわがまま言ってもいいっすか?」
「ん?なぁに?」
「サビだけでいいんで、なんか歌ってほしいです」
「え、歌!?」
「うん、聴きたくなって…」
「…いいよ。何の曲がいい?」
「じゃあ…初めて行ったライブで弾き語りくれたやつ!」
「うん、分かった。じゃあ、聴いててね……」
電話越しに甘く優しい歌声が聴こえる。目を閉じたらあの日みたいに手を握って、目の前で歌われている気分になった。
「ありがとうございます」
「いえいえ。…あと2週間ちょっと会えないけど、ごめんね?」
「会ったらいっぱいハグしてくださいね」
珍しく甘えてみた。
「もちろん、嫌がってもずっとぎゅーってする」
「あはっ、ずっとは困りますね」
「えーいいじゃーん。…じゃあ、そろそろ切るね」
「はい」
「愛してるよ、おやすみ」
「おやすみなさい」
9月下旬、夏休みも終わり通常の大学生活が再開した。
俺の周りでは、いくつか変化があった。平賀は高見さんと付き合うことにしたらしい。水森は、乙倉さんにデートに誘われたそうだ。
そして俺は、留学から帰って来た柚原さんと同棲について話し合いを始めた。
「同棲をするためにも、ちゃんと葵ちゃんのご両親に挨拶に行きたいと思ってる」
「それって、俺たちが付き合ってることを言うってことですよね?」
「うん。…嫌?」
「嫌じゃないですけど……」
同棲をするために乗り越える壁は、いくつあるんだろう…。
柚原さんを好きになる時、俺の前にはいくつもの壁があった。相手は芸能人みたいな人気者、女装姿じゃなくてもいいのか、男同士の恋…。その壁たちをどうやって乗り越えようか1人考えていたが、その必要はなかった。
柚原さんはその壁を元々無かったかのように壊してくれた。ただの真っ直ぐな道に変えてくれた。
「少し不安ですけど…翠くんがいれば大丈夫です!」
笑顔で言った俺を抱きしめた柚原さん。
「ずっとそばに居るし、2人なら大丈夫だから」
きっとこれから先も、この人とならどんな壁も身軽に乗り越えていけるんだろうな。
乗り越えた先には、言葉では表せない幸せが待っている。
モテモテの先輩が好きになったのは、男の俺でした。

