——あのサラダ、取りたい。
けど、遠い。めちゃくちゃ遠い。
テーブルの真ん中に堂々と鎮座しているボウルに、俺の手は絶妙に届かない。
くそ……タイミング逃した……!
みんな好き勝手に談笑してるし、今さら「すみません、サラダ……」とか言いづらい……
もじもじしていた、そのときだ。
「ん?」
横から、静かに声が落ちてきた。
成瀬柾——この合コンに現れた彫刻イケメンが、俺の視線の先を追いかける。
「サラダ?欲しい?」
「え、あ……まあ、ちょっと……」
なんだよその観察力。読心術でも使えるのか。
柾は軽く笑って、すっと立ち上がる。
「取るよ。お皿かして?」
「あ、ありがとう」
その手つきがまた丁寧で、取り分ける動きまで絵になる。
こいつ、日常のどの瞬間を切り取っても、イケメン映像が完成しちゃうタイプだ。
俺にお皿を戻してくれるときの仕草も、妙に優しい。
「はい。ドレッシング、多すぎたら言って」
「……いや、ちょうどいい。ありがとう」
気遣いできるとか……どんだけ完璧なイケメンなんだよ……!
外見だけじゃなくて性格まで隙がないって、反則では?
さらには、俺が受け取ったサラダをもそもそ食べているのを横目で見て、柾は小さく笑った。
「そんなに遠かった?」
「めっちゃ遠かった。腕つるかと思った」
「言ってくれたらすぐ取ったのに」
「いや、無理だって。サラダお願いしまーすって、皆の話ぶった切る勇気ないよ……」
「別にいいでしょ。必要なら頼って?」
なにその言い方。
普通に言ってるのに、なんか距離を詰められてる感じがして心臓に悪い。
「……成瀬くん、マジで完璧すぎない?」
「ん?そう?」
柾は涼しい顔で、グラスの水を口に運ぶ。
いや、謙遜の仕方まで様式美かよ……
ますます直視しづらい。
でも、視線は勝手にそっちへ吸い寄せられる。
けど、遠い。めちゃくちゃ遠い。
テーブルの真ん中に堂々と鎮座しているボウルに、俺の手は絶妙に届かない。
くそ……タイミング逃した……!
みんな好き勝手に談笑してるし、今さら「すみません、サラダ……」とか言いづらい……
もじもじしていた、そのときだ。
「ん?」
横から、静かに声が落ちてきた。
成瀬柾——この合コンに現れた彫刻イケメンが、俺の視線の先を追いかける。
「サラダ?欲しい?」
「え、あ……まあ、ちょっと……」
なんだよその観察力。読心術でも使えるのか。
柾は軽く笑って、すっと立ち上がる。
「取るよ。お皿かして?」
「あ、ありがとう」
その手つきがまた丁寧で、取り分ける動きまで絵になる。
こいつ、日常のどの瞬間を切り取っても、イケメン映像が完成しちゃうタイプだ。
俺にお皿を戻してくれるときの仕草も、妙に優しい。
「はい。ドレッシング、多すぎたら言って」
「……いや、ちょうどいい。ありがとう」
気遣いできるとか……どんだけ完璧なイケメンなんだよ……!
外見だけじゃなくて性格まで隙がないって、反則では?
さらには、俺が受け取ったサラダをもそもそ食べているのを横目で見て、柾は小さく笑った。
「そんなに遠かった?」
「めっちゃ遠かった。腕つるかと思った」
「言ってくれたらすぐ取ったのに」
「いや、無理だって。サラダお願いしまーすって、皆の話ぶった切る勇気ないよ……」
「別にいいでしょ。必要なら頼って?」
なにその言い方。
普通に言ってるのに、なんか距離を詰められてる感じがして心臓に悪い。
「……成瀬くん、マジで完璧すぎない?」
「ん?そう?」
柾は涼しい顔で、グラスの水を口に運ぶ。
いや、謙遜の仕方まで様式美かよ……
ますます直視しづらい。
でも、視線は勝手にそっちへ吸い寄せられる。



