「ただいま、秋兄(あきにい)。約束通り、僕と結婚してください」

俺は玄関を開けて目の前に立っていた知らない男に、赤いバラの花束を差し出された。

(えっ……えっ!えっ?)

今、俺が電話しているのは、たしかに遼太郎(りょうたろう)のはずだ。

そして、目の前に立つ男の声は、スマホから聞こえる声と一緒だった。

つまり、このイケメンが遼太郎だという揺るぎのない事実。

だが、幼いころの可愛い遼太郎の記憶しかない俺には、到底受け入れられない事実だった。

「う、嘘だー!」

玄関開けたら、可愛がっていた後輩にプロポーズされました。