【マンガシナリオ用】鬼の住む館で暮らすことになりました。※黒鬼がちょっと過保護です。

○居間
青鬼だけが居間に
蒼「お待たせ。本当はあまり鬼に見せないものなんだけど、今回は特別ね」
蒼、机に歴代の主が載っている分厚いファイルを広げる
青鬼「わかってないとどうしようもできないのか?」
青鬼、分厚いファイルを摘み、嫌な顔
蒼「できなくはないけど……解除する側もされる側も負担が大きくなっちゃうから」
青鬼「そこまで俺のことを考えてくれてるのか……!」感動したように目を輝かせる
朧(お前のためじゃねぇよ……)口には出さないがジト目で青鬼を睨む
蒼「そう言うのいいから、告白してきた人は誰?」素っ気なく
ファイルを突き出され、青鬼は一枚一枚めくっていく。青鬼、険しい表情
青鬼「わずかにしか覚えてないから、数人に絞り込むのが限界だ……」
青鬼は似たような容姿をした三人を指差した。どれも数十年と昔の話。一番古くて五十年前のもの
朧「その中なら、これがそれっぽいっス」
朧は青鬼の背後を見ながら一人の女性の写真を指差す
蒼「私には見えないから助かる〜」朧に笑顔を向ける。
朧は表情は崩さないが、蒼に褒められ満足そう
蒼「青鬼はどう?合ってそう?」
青鬼「……(資料を睨みながら)たぶん?庭に埋めてる柿をよくもいで食べてた気がする」
蒼「柿の木があるのはそう言うことね。じゃあ、柿の木の下に行こう」
青鬼「んん?」不思議そうな顔

○庭・柿の下のベンチ
蒼「ここで1つ、思い出エピソードをどうぞ」興味津々
青鬼「は?なんで?」
蒼「告白した主は青鬼に思い出してもらえず、好意を無碍にされたせいで執着が強くなってるみたいなの」
青鬼「げぇ、そう言うところが嫌いなんだって……」げんなり
大きなため息を吐いた後、青鬼は頭をかく
青鬼「仕事終わったら俺の好きな甘い和菓子出してくるし、嬉しそうに“青鬼くん、今日もお疲れ様です”って……思い出すだけで鳥肌立つ」
柿の木を見つめながら、青鬼は懐かしむ
青鬼「無駄にプライベート探ってくるし、どう考えても俺が悪い場面でも俺の味方してくるし……とにかく、面倒な女主だった!」
蒼「ちゃんと思い出せるじゃん。ていうか惚気話みたいだね」
青鬼「勘弁してくれ!俺はそんな主が大嫌いだ。さっさと俺を解放しろ!名前も知らない主!」
柿の木に当たるように叫ぶ青鬼。青鬼の背後で苦笑いの蒼
蒼「……今、前主どんな感じ?」朧に小声で尋ねる
朧「ちょっと嬉しそうっス」信じられない表情で
蒼「おもしろ……」
青鬼は振り返り、仁王立ち
青鬼「おい、今の主、早くあの女から解放してくれ」
蒼「するする。青鬼のおかげで少しは楽にできそうだよ」
お祓い用の護符を柿の木に貼り付け、青鬼にも同じものを渡す
蒼「痛くても我慢してね」
青鬼「俺はそんなにヤワじゃない」
蒼「それならいいけど。じゃ、やるよ」
柿の木と青鬼の護符に触れ呪文を唱える。護符は光を放ち蒼が人差し指で護符を裂く
眩しい光に包まれた
青鬼「ギャアアアア!」
蒼「逆に離れがたくなってるね!?」
なかなか剥がれない気配に蒼は顔を歪める
朧「主、一旦やめた方が」
蒼「まだ……いけるっ!」
蒼がそう言った瞬間、さらに激しい光が空を貫いた

光が収まった時には青鬼は地面に倒れている。蒼もその場に座り込み息も絶え絶え
朧「青鬼、終わったぞ。じゃ、俺は主連れて行くからな」
青鬼が起き上がる前に蒼を抱え、朧は即退散
青鬼「えぇ、俺このまま……?」
電気を食らったかのような衝撃に、青鬼動けず

○主の部屋
朧によって敷布団に寝かされる蒼
蒼「はあ、はあっ……あーもう無理死ぬ!」真っ赤な顔で苦しそうに、だが大声で
朧「死にそうな人の言い方じゃないっス」
事前に用意しておいた冷たい水や濡らしたタオルを手に取る
朧は蒼の体を起こし、水を飲ませ、ゆっくりと布団に寝かせて額にタオルを乗せる
蒼「……いつもありがと」
朧「ん。俺の役目っスから。今は寝てください」
蒼「朧みたいに、体力があれば……よかった、のに」
ゆっくりと瞼を閉じ、寝息を立て始める蒼
朧「……そんなことになったら、俺のこと必要なくなっちゃうでしょ」
蒼の手が布団の端からこぼれているのに気づき、朧はそっと指先を触れさせた
一瞬だけ握りしめて、すぐ離す
距離を置きながら、小さく息を飲んだ
朧(……一生そんな日、来なくていい)