五色に溶けた空の色

【【私は、秀雪くんが好きだ】】



 ——それは、私にとっての初恋だった。

 胸の中にひっそりと宿っていた小さな芽が、細く差し込んだ光を受けて、ようやくきれいな花を咲かせたんだ。

 今まで誰かに特別な思いを寄せることなんてなかったから、見たこともない鮮やかに彩られた不思議な世界に、一歩踏み出したようだった。

 けれど、同時にそれが怖くもあった。私が、知らない私に代わっちゃうんじゃないかって。

 ただ一つ、確かなことがあるのだとすれば、彼が私のことをどう思っていようと、この恋の花が枯れて無駄なものだとしても、彼を好きになったことを後悔する日は、きっとずっと訪れないのだと思う。

 彼に振り向いてほしくて、恋心に気づいてから、一度も変えることのなかったストレートロングを、肩の上で軽やかに揺れるボブに変えたのだ。もちろん、彼以外の周囲からも「どうしたの?」「何かあった?」と驚かれた。読んだ本で、髪型を変えることは失恋を表すと知った時には、自分の恋愛の不器用さにどこか惨めな気持ちになってしまった。

 私が彼を好きになった理由は、一言で言えば、不器用ながらもとても優しいところだろうか。私たちがグループになるきっかけになった、迷子の子の親探し。その時だって、泥水が水玉模様を付けるように飛び散った服、迷子の子が手に握りしめていたお菓子——そんなところから、慣れないながらも、その子のために必死になって動いてくれていたことを、私は知っている。

 ……ある人から、この五人——花梨(かりん)一葉(ひとは)凛音(りおん)秀雪(ひでゆき)、そして海虎(かいと)——で過ごした七月から八月のことを話してほしいと頼まれた。前書きはいつでもいいと言われたので、私はこれを八月の終わりに綴っている。そして、一つだけ約束された。自分と同じ性別の子の名前は伏せること。だから、二人の女の子のことは「水飴の子」と「わたあめの子」と呼ぶことにする。

 それでは物語の始まりへ、いってらっしゃい——。



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