五色に溶けた空の色

【【僕は、凛音か花梨のことが好きなんだと思う】】



 もし、僕みたいな人が他にもいたとすれば、正直に言えばそれはずるいと思う。

 人は常に何かを選択して生きている。

 例えば、受験は人生を語るうえで大きな選択だ。コンビニでどのおにぎりを買おうか、それだって言ってしまえば選択だ。

 でも、その選択肢が常にいくつもあるとは限らないし、あるということ自体恵まれていることなんだと思う。

 僕はこの前、承知の通り半不登校状態に陥った。自分がまさかそうなるなんて一ミリたりとも考えていなかったし、人のこと言える立場にないと感じた。そんな僕を半不登校状態に陥れた正体は、目に見えることのないプレッシャーだった。「常に頑張らないといけない」「自分に責任があるんだ」と思い込んでしまったのが、プレッシャーという悪魔を招いてしまったのだろう。

 ただ一つ、確かなことがあるのだとすれば、そのプレッシャーを一人で背負う必要はないし、この四人は僕の代わりに——いや、一緒にいくらでも背負ってくれるということだ。

 そんなこのグループと一緒に過ごしてもう八ヶ月が過ぎようとしていた。お互いのことを分かってきたからこそ全員が何かしらの思いを誰かにぶつけたいと思っていることは、鈍感な僕でも気づきつつあった。とはいえ、誰が誰に赤い糸を伸ばそうとしているのかまでは僕みたいなやつにわかりそうにないし、それに僕もまだ、どちらにこの思いをぶつけたいのかわからないでいた。

 「好きな人には幸せになってほしい」というという言葉があるように、あえて身を引くことも時にはあり得る選択肢だ。でも、我慢したくはないし、それは後悔に結びつくことを知っている僕からすると、どうしても慎重になってしまう。

 とある人から、僕は五人——花梨(かりん)一葉(ひとは)凛音(りおん)秀雪(ひでゆき)、そして海虎(かいと)——で過ごした十一月から十二月のことを話してほしいと言われている。前書きを書くのはいつでもいいと言われたので、僕はこの前書きを十一月の初めに綴っている。そしてもう一つ、自分と同じ性別の子の名前は明かさないでほしいといわれているから、「オーロラのような彼」と呼ぶことにしよう。

 それでは物語の始まりへ、いってらっしゃい——。



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