【【僕に新しい恋が芽生えるかなんて、分からない】】
——きっとまだ、僕は出会えていないのだろう。
僕は、高校生になるまで女の子と関わる機会が乏しかった。というのも、幼稚園や保育園には通っていなかったし、小学校は村の小さなところに通い、その年の入学者は全員が男の子だった。そして中学校は私立の男子校に通っていた。
ただ、そんな僕も今までに一度だけ恋をしたことがある。まだ僕が小さかった頃、近所にいた同い年の女の子に恋をした。気づかないうちに惹かれ、僕から告白をし、付き合うことになった。
でも、小学校卒業とともに僕が引っ越すこととなり、お互い連絡がポツリと途絶えてしまった。つまりは、僕らのピンク色のリボンは、自然と引きちぎれてしまったんだと思う。でも、数年が経った今でもなぜだか僕は未だにそこから抜け出すことができずにいた。完全に抜け出してしまうと、もう楽しかった過去を完全に忘れてしまうようで怖かったのだ。
ただ一つ、確かなことがあるのだとすれば、その女の子がこのことを知ったらきっと失望するだろう。もしかしたら、付き合ったという事実さえ一欠片も残さず、綺麗に消されてしまうかもしれない。
だから、もうこのことを忘れ、新しい何かと向き合わなきゃいけない。それをどこかで自覚していたから、このグループ五人で笑って、泣いて、それでも今日まで乗り越えてきたんだと思う。
このグループにも、三人の女の子がいる。ほとんど女の子と接してこなかったから、女の子はどのようにしてくれたら嬉しいだとか、何されるのは嫌だとか、相変わらず試行錯誤の毎日だ。あくまで僕らが男女グループになったのは、恋の花を咲かせ、青春を飾るためではない。でも、巡り合わせのために神様が結びつけたのだとすれば、もしかしたら僕も、この中の誰かを好きになるのかもしれない。
それが、本当に自分のしたいことなのかまだはっきりとはしないけれど、いつかはその答えを見つけなければならない。
とある人から、僕は五人——花梨、一葉、凛音、秀雪、そして海虎——で過ごした九月から十月のことを話してほしいと言われている。前書きを書くのはいつでもいいと言われたので、僕はこの前書きを九月の初めに綴っている。そしてもう一つ、自分と同じ性別の子の名前は明かさないでほしいといわれているから、「風のような彼」と呼ぶことにしよう。
それでは物語の始まりへ、いってらっしゃい——。
***
——きっとまだ、僕は出会えていないのだろう。
僕は、高校生になるまで女の子と関わる機会が乏しかった。というのも、幼稚園や保育園には通っていなかったし、小学校は村の小さなところに通い、その年の入学者は全員が男の子だった。そして中学校は私立の男子校に通っていた。
ただ、そんな僕も今までに一度だけ恋をしたことがある。まだ僕が小さかった頃、近所にいた同い年の女の子に恋をした。気づかないうちに惹かれ、僕から告白をし、付き合うことになった。
でも、小学校卒業とともに僕が引っ越すこととなり、お互い連絡がポツリと途絶えてしまった。つまりは、僕らのピンク色のリボンは、自然と引きちぎれてしまったんだと思う。でも、数年が経った今でもなぜだか僕は未だにそこから抜け出すことができずにいた。完全に抜け出してしまうと、もう楽しかった過去を完全に忘れてしまうようで怖かったのだ。
ただ一つ、確かなことがあるのだとすれば、その女の子がこのことを知ったらきっと失望するだろう。もしかしたら、付き合ったという事実さえ一欠片も残さず、綺麗に消されてしまうかもしれない。
だから、もうこのことを忘れ、新しい何かと向き合わなきゃいけない。それをどこかで自覚していたから、このグループ五人で笑って、泣いて、それでも今日まで乗り越えてきたんだと思う。
このグループにも、三人の女の子がいる。ほとんど女の子と接してこなかったから、女の子はどのようにしてくれたら嬉しいだとか、何されるのは嫌だとか、相変わらず試行錯誤の毎日だ。あくまで僕らが男女グループになったのは、恋の花を咲かせ、青春を飾るためではない。でも、巡り合わせのために神様が結びつけたのだとすれば、もしかしたら僕も、この中の誰かを好きになるのかもしれない。
それが、本当に自分のしたいことなのかまだはっきりとはしないけれど、いつかはその答えを見つけなければならない。
とある人から、僕は五人——花梨、一葉、凛音、秀雪、そして海虎——で過ごした九月から十月のことを話してほしいと言われている。前書きを書くのはいつでもいいと言われたので、僕はこの前書きを九月の初めに綴っている。そしてもう一つ、自分と同じ性別の子の名前は明かさないでほしいといわれているから、「風のような彼」と呼ぶことにしよう。
それでは物語の始まりへ、いってらっしゃい——。
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