10月に入っても暑かったのに……中旬を過ぎると、夜は一気に冷え始める。服も長袖に変えて……押し入れから追加の毛布を引っ張り出してきた。
「……もう一気に冬だな」
これまでは毛布1枚で寝ていた夜。肩を出していると夜中に寒くて目が覚める。クロは寝る時はキャットタワーの一番上で、いつも丸まって寝ている。寝る前に必ず窓の外をじっと見ているけれど、仲間でも探してるのだろうか……?
「じゃ、寝るぞ?」
スマホで動画を観て、ダラダラしている時は気付けば寝ていることが多い。まともに寝る時は、だいたい夜中0時には布団に入るようにしていた。
「……また明日な。クロ」
『猫は自分のペースを守りたい動物なので』
『あまりしつこいのはダメですよ? 嫌われちゃいます』
『寄ってきた時に、いっぱい構ってあげて下さい』
「人間みてぇだな」と思った。人間だって……あまりしつこく来られたらウザいだろうし。猫っていうのはどんな時でも構ってやれば、嬉しいのかと勝手なイメージを持っていた。
タンッ……タンッ……
(……? 何だ?)
(クロか……?)
キャットタワーがぐらんぐらんと揺れる音がして、何かが動いている音。俺はクロがタワーから下りてきたのか?と思った。
ザシュッ……ザシュッ……ザシュ……
毛布の上を何かが歩いてくる音。これは間違いない。クロに決まっている。どうやら電気が消えた暗闇の中、布団の上をクロが歩いているらしい。
(……どこ行くんだ)
「……うっ……!」
仰向けで目を瞑って寝ている俺の腹に……ドン!という感覚があった。急に腹に重りを落とされた感覚で、思わず声を上げる。
「クロかよ……痛ぇって」
「にゃあっ」
暗闇の中、耳のシルエットがくっきりと浮かび上がる。俺の顔の近くまで来て、一声鳴いた。
「……眠てぇんだって」
「にゃっ」
「どっか行けよ」
「……」
クロは俺がかけている布団をザシュッ……と下りてくると、顔の真横までやってきて、グルグル……と喉を鳴らす。
「何か用か?」
「……」
無言で俺の布団の端に、頭をドリルのようにぐりぐり……とねじ込む。
「……おい」
「もしかして……入りてぇのか? クロ」
頭を無理矢理ねじ込もうとしている姿を見て、俺はそっと布団の端を持ち上げた。「見つけた!」と言わんばかりに、クロは腰を低くしながら、布団の中に潜りこんできた。
(入りたかったのか……)
猫が人間の布団の中に入ってくるなんて……驚いた。俺の腹の辺りでくるっと向きを変えて、今度はもそもそもそっ……と顔に近づいてくる。
(おわっ……)
ぴょこっと俺の左脇の下から顔を出して、「にゃん」と小さく鳴いた。思わず右手で頭を撫でる。目を瞑ってグルルルル……とご機嫌らしい。
「何だ、お前……ここで寝るのか?」
「……」
何も返事をせずに、グルル……と気持ち良さそうに撫でられている。
「はぁ。……いい気なもんだな。お前は」
「可愛いやっちゃ」
じん……と胸の奥がしびれるような気分になった。鼻の奥が熱くなって……目の奥に涙が溜まる。寂しかったのか?それは分からない。
でも……頼られているような気分になって、何だか嬉しかったし……それに温かかった。
「……もう一気に冬だな」
これまでは毛布1枚で寝ていた夜。肩を出していると夜中に寒くて目が覚める。クロは寝る時はキャットタワーの一番上で、いつも丸まって寝ている。寝る前に必ず窓の外をじっと見ているけれど、仲間でも探してるのだろうか……?
「じゃ、寝るぞ?」
スマホで動画を観て、ダラダラしている時は気付けば寝ていることが多い。まともに寝る時は、だいたい夜中0時には布団に入るようにしていた。
「……また明日な。クロ」
『猫は自分のペースを守りたい動物なので』
『あまりしつこいのはダメですよ? 嫌われちゃいます』
『寄ってきた時に、いっぱい構ってあげて下さい』
「人間みてぇだな」と思った。人間だって……あまりしつこく来られたらウザいだろうし。猫っていうのはどんな時でも構ってやれば、嬉しいのかと勝手なイメージを持っていた。
タンッ……タンッ……
(……? 何だ?)
(クロか……?)
キャットタワーがぐらんぐらんと揺れる音がして、何かが動いている音。俺はクロがタワーから下りてきたのか?と思った。
ザシュッ……ザシュッ……ザシュ……
毛布の上を何かが歩いてくる音。これは間違いない。クロに決まっている。どうやら電気が消えた暗闇の中、布団の上をクロが歩いているらしい。
(……どこ行くんだ)
「……うっ……!」
仰向けで目を瞑って寝ている俺の腹に……ドン!という感覚があった。急に腹に重りを落とされた感覚で、思わず声を上げる。
「クロかよ……痛ぇって」
「にゃあっ」
暗闇の中、耳のシルエットがくっきりと浮かび上がる。俺の顔の近くまで来て、一声鳴いた。
「……眠てぇんだって」
「にゃっ」
「どっか行けよ」
「……」
クロは俺がかけている布団をザシュッ……と下りてくると、顔の真横までやってきて、グルグル……と喉を鳴らす。
「何か用か?」
「……」
無言で俺の布団の端に、頭をドリルのようにぐりぐり……とねじ込む。
「……おい」
「もしかして……入りてぇのか? クロ」
頭を無理矢理ねじ込もうとしている姿を見て、俺はそっと布団の端を持ち上げた。「見つけた!」と言わんばかりに、クロは腰を低くしながら、布団の中に潜りこんできた。
(入りたかったのか……)
猫が人間の布団の中に入ってくるなんて……驚いた。俺の腹の辺りでくるっと向きを変えて、今度はもそもそもそっ……と顔に近づいてくる。
(おわっ……)
ぴょこっと俺の左脇の下から顔を出して、「にゃん」と小さく鳴いた。思わず右手で頭を撫でる。目を瞑ってグルルルル……とご機嫌らしい。
「何だ、お前……ここで寝るのか?」
「……」
何も返事をせずに、グルル……と気持ち良さそうに撫でられている。
「はぁ。……いい気なもんだな。お前は」
「可愛いやっちゃ」
じん……と胸の奥がしびれるような気分になった。鼻の奥が熱くなって……目の奥に涙が溜まる。寂しかったのか?それは分からない。
でも……頼られているような気分になって、何だか嬉しかったし……それに温かかった。



