「お前、覚えてるのか?」
「えっ?」
「覚えてる訳ないな。お前はそういう奴だ」
なぜか嬉しそうにする彼が理解できない。私は話題を変える事にした。
「トロントアイランドの、北西のエリアに行きませんか? 地図だと木が生い茂ってるから紅葉が綺麗そうです」
「木が生い茂ってるのは、ヌーディストビーチだからだ。ゲイの出会いの場だぞ。こんな色のミサンガつけてったら、狙われて怖いわ」
私はプレゼントしたミサンガをまじまじと見た。レインボーはゲイの印だ。ガイドになりたい私より清一郎さんの方が地理に詳しい。彼は色々なものに精通していて、本当に物知りだ。
「そういえば、清一郎さんって体にお絵描きしてないですよね」
私は以前、彼が着替えている時に背中を見たことがある。ヤクザの家に生まれたのに刺青がなかった。
「高校の時に好きな子がいて、その子が極道嫌いだったから消した」
「すごい」
私は思わず驚きのあまり口元を抑えた。極道の男にとって女は娯楽でしかない。女の為に刺青を消すなんて、ヤクザの家に生まれた男としては信じられない事だ。それ程に好きな相手がいるのに、彼は私と結婚した。
「えっ?」
「覚えてる訳ないな。お前はそういう奴だ」
なぜか嬉しそうにする彼が理解できない。私は話題を変える事にした。
「トロントアイランドの、北西のエリアに行きませんか? 地図だと木が生い茂ってるから紅葉が綺麗そうです」
「木が生い茂ってるのは、ヌーディストビーチだからだ。ゲイの出会いの場だぞ。こんな色のミサンガつけてったら、狙われて怖いわ」
私はプレゼントしたミサンガをまじまじと見た。レインボーはゲイの印だ。ガイドになりたい私より清一郎さんの方が地理に詳しい。彼は色々なものに精通していて、本当に物知りだ。
「そういえば、清一郎さんって体にお絵描きしてないですよね」
私は以前、彼が着替えている時に背中を見たことがある。ヤクザの家に生まれたのに刺青がなかった。
「高校の時に好きな子がいて、その子が極道嫌いだったから消した」
「すごい」
私は思わず驚きのあまり口元を抑えた。極道の男にとって女は娯楽でしかない。女の為に刺青を消すなんて、ヤクザの家に生まれた男としては信じられない事だ。それ程に好きな相手がいるのに、彼は私と結婚した。
