「おれの御主人は、すっごく優しくて、良いやつだ。優しいやつとは、一緒に遊びたいって思うに決まってるだろ」
「……そうかな」
「絶対にそうだ! だから絶対に大丈夫なんだ。御主人は、これから友達だっていっぱいできるよ。自由にさ、好きなことをたくさんして、いっぱいっぱい、笑うんだ」
「……うん」
おれの言葉に、御主人はまたぽろぽろと泣き出してしまう。膝に飛び乗って、頬をぺろりと舐めた。温かくて、しょっぱい。
手足を見れば、おれの姿はほぼ消えかけている。もう本当に、時間がないみたいだ。
「……おれさ、御主人がおれを見て、笑ってくれる顔が大好きだったんだ」
「はは……そんなこと思ってたのか。ちょっと恥ずいな」
「だからさ。御主人も、笑ってよ」
御主人はぽろぽろと涙を流したまま、くしゃりと笑った。
「うん。……にゃこ、ありがとな」
――あぁ、御主人は、きっともう大丈夫だ。
その笑顔を見ていたら、そんな確信を持てた。
「おれも、ありがとう。御主人の猫になれて、家族になれて、友達になれて……すっごくすっごく幸せだったぞ! ……っ、じゃあな、御主人! にゃっこにゃこ!」
最後に御主人の笑顔を目に焼き付けて、おれは天界に帰った。
この姿で会うことは、もう二度とないだろうけど……いつかまた会えたその時にも、笑顔でいてくれたらいいなと。そう願いながら。



