「にゃっこにゃこ!」



「……やっぱり、にゃこだったのか」
「あーあ、バレちゃったか」
「ふふ、バレるに決まってるだろ。にゃこは嘘をつくのが下手なんだな」

御主人の目から、ぽろりと涙が零れた。おれのせいで泣かせちゃったのかなって不安になったけど、御主人は泣きながらも、嬉しそうに笑っている。……御主人は今、どんな気持ちでいるんだろう。

「御主人は今、悲しいのか? それとも嬉しい?」
「……嬉しいよ。だってにゃこは、俺に会いにきてくれたんだろ?」
「あぁ、もちろん! だって御主人が、つまんなそうな、寂しそうな顔してたから! 心配しちゃうに決まってるだろ!」
「……うん、ごめんな」
「謝らなくてもいいぞ! 今日さ、御主人と一緒に遊べて、おれ、すっごくすっごく楽しかったんだ」
「うん、俺もだよ。すっごく楽しかった。今日のことは一生忘れないと思う」

屈んだ御主人は、おれの頭を優しく撫でてくれる。触れる手が温かくて気持ちよくて、喉がゴロゴロと鳴ってしまう。

「へへ、ならよかった。御主人、元気になったんだろ? もう大丈夫か?」
「……全然大丈夫じゃないよ。だってにゃこは、いなくなっちゃうんだろ?」
「あぁ。だっておれは、もう死んでるからな。天界に戻らないと」
「……そうだよな。分かってる。でも俺……他人とどう関わったらいいか分からない。今までずっと、家にこもって勉強ばかりしていたから……」
「そんなの、簡単なことだぞ。友達になろうって言えばいいだけだ!」
「そう、かもしれないけど……こんな俺と、友達になってくれる奴なんているのかな」

地面に視線を落とした御主人は、すっごくウジウジしている。
その頬に「えいっ」と猫パンチを喰らわせてやったら、御主人はきょとんと目を丸めて顔を上げた。