――ふーん。今のおれって、こんな顔をしてるんだな。何だか目が大きく見えるし、顔の周りにきらきらしたよく分かんないのが舞っている。
ちょっとヘンテコな感じもするけど、悪くはない。御主人に頭を撫でられて、嬉しいって顔をしている。
だけど、肝心の御主人の表情は……。
「おい! 全然笑ってないじゃないか!」
「え? 何だよ、別にいいだろ」
「だめだだめだ! 写真を撮る時は笑うもんだぞ! ほら、にゃっこにゃこ~って!」
「……どうしてお前が、それを知ってんの?」
両方の手の人差し指を口の端っこに当てて、昔、御主人がしていた真似をしてみせた。御主人は、目を見開いて固まっている。
……しまった、バレたかな。
御主人に何て返事をしようか、ドキドキしながら考えていたけど、御主人は、それ以上何か追究してくるようなことはなかった。
「……分かったよ。こうすればいいんだろ」
そう言った御主人は、自分の口元にも指を添えてみせた。
再びパシャリと音が鳴って映し出された写真には、同じ格好をしたおれと御主人が映し出されている。
御主人の顔は、昔みたいな笑顔ではなかったけど――でも、あの頃と変わらない、優しい目をしているなって。そう思えたんだ。



