2010年、僕は長崎市で小さな喫茶店を開いた。35歳の時だ。
のんびりやれること
1人でもできること
そして、コーヒーが好きなこと
深く考えずに、僕は貯金をすべて使い果たして……念願だった喫茶店を開いた。
奥に細長い2階建て。確か築53年くらいだったはず。1階でお客が8人ほど入ることができるスペースを作り、毎日の生活は2階。小さな小さな喫茶店。
「にゃおおおー……ん」
2階から細く伸びるように聞こえてくる、にゃーちゃんの声。
(あっ……忘れてたな……)
僕はシンクの下にかけてあるタオルで乱暴に手を拭き、急いで2階へと駆け上がる。
「……ごめん、ごめん!」
「にゃあああ……」
僕の顔を凝視して怒ってる。窓の下の白い容器はすでに空っぽになっていた。急いで僕は昼ご飯の準備をする。
「そんなさ、怒らないでよ」
「にゃあああ……」
甲高い声を出し、キャットフードの袋に手を入れる僕の隙間を縫って、顔を袋の中に入れようとする。もうすでにいつもの時間を1時間も過ぎていた。
「ちょっと。……出すから。ちょっと待ってよ」
「……」
何も答えずに必死に袋の中に頭をねじ込もうとする。「しまったな」「ごめん」と思いながら、ご飯を白い器にザラっと入れた。
「……!」
ようやく準備されたご飯を、むにゃむにゃ言いながら必死にがっつく。
「はぁ。ぼんやりしてたら……忘れてた。ごめん」
僕のパートナーは黒猫の女の子。一緒にこの家に住み始めてこの時5年が経とうとしていた。
(……不思議な子だ)
にゃーちゃんはいつも空を見上げている。
……何をしているんだろう。
のんびりやれること
1人でもできること
そして、コーヒーが好きなこと
深く考えずに、僕は貯金をすべて使い果たして……念願だった喫茶店を開いた。
奥に細長い2階建て。確か築53年くらいだったはず。1階でお客が8人ほど入ることができるスペースを作り、毎日の生活は2階。小さな小さな喫茶店。
「にゃおおおー……ん」
2階から細く伸びるように聞こえてくる、にゃーちゃんの声。
(あっ……忘れてたな……)
僕はシンクの下にかけてあるタオルで乱暴に手を拭き、急いで2階へと駆け上がる。
「……ごめん、ごめん!」
「にゃあああ……」
僕の顔を凝視して怒ってる。窓の下の白い容器はすでに空っぽになっていた。急いで僕は昼ご飯の準備をする。
「そんなさ、怒らないでよ」
「にゃあああ……」
甲高い声を出し、キャットフードの袋に手を入れる僕の隙間を縫って、顔を袋の中に入れようとする。もうすでにいつもの時間を1時間も過ぎていた。
「ちょっと。……出すから。ちょっと待ってよ」
「……」
何も答えずに必死に袋の中に頭をねじ込もうとする。「しまったな」「ごめん」と思いながら、ご飯を白い器にザラっと入れた。
「……!」
ようやく準備されたご飯を、むにゃむにゃ言いながら必死にがっつく。
「はぁ。ぼんやりしてたら……忘れてた。ごめん」
僕のパートナーは黒猫の女の子。一緒にこの家に住み始めてこの時5年が経とうとしていた。
(……不思議な子だ)
にゃーちゃんはいつも空を見上げている。
……何をしているんだろう。



