唯一無二の完璧女子は自分を捨てて死にました

「すずり、ジュース飲む?」
私の呼吸が伝わるぐらいそばにいるすずりにそう問いかける。
思い出していたのはすずりを始めて抱いた時のこと。
その時も、私の手にはこの温もりがあって。それは今でも何も変わっていない。
それなのに苦しくて守りたくてたまらない。お母さんから。
「うん!」
幼さの残る声からは涙の余韻が伝わっている。暖かな体温、わずかに顔にかかる吐息。全てが守りたい、でも。忘れるから、だから守れない。
もしも、いらないです能力なんて捨てちゃえたらいいのに。
私は自販機ですずりのジュースと私のコーヒーを買ってベンチに二人で腰を下ろす。
「お姉ちゃん、たすけて。お母さんからたすけて。もういやだ、いやだ。お姉ちゃんしかいないよ」
途端にすずりの口から溢れたSOSは尖っていたけれど、それがただの見せかけであることを私は知っている。
「うん、絶対にすずりを助けるからね。」
私はそれだけ言ってすずりを抱きしめた。何度も感じた温もりが愛おしかった。