ある日、夏美は庭に小さな花を植えた。
メランは興味深そうに土を踏みしめ、花の周りを歩き回る。

「メラン、この花も一緒に育てようね」

「はい、夏美。あなたと一緒なら、どんな小さな花も輝きます」

花が咲くたびに、二人の間に生まれる小さな喜びは願いの魔法とはまた別の温かさをもたらす。

互いの存在が、日常の中で確かに生きていることを二人は感じていた。

夜、ベッドの上で夏美はメランを抱きながら星空を見上げた。
窓の外には月が柔らかく光り、星々が瞬く。

「メラン、これからもずっと、一緒にいてくれる?」

「もちろんです、夏美。あなたのそばにいます」

その瞬間、夏美は心の奥底から安堵を感じた。
願いはただの言葉ではなく、互いの信頼と絆によって形作られたものだったのだ。

夏美とメランは言葉を交わさずとも、互いの温もりを感じ合い、静かな幸福に包まれる。