夜が静かに更け、窓の外には星々が瞬く。
メランは布団の上で丸まり、夏美の手を舐めながら小さな声で鳴いた。

「ありがとう、夏美」

「ううん、ありがとうはこっちの方だよ」

二人は言葉を交わさずとも、互いの存在を確かめ合った。
友情、信頼、そして深い絆。
願いは魔法のように叶ったのではなく、心の中で育まれたものだったのだ。

夏美はそっと目を閉じ、メランの温もりを感じながら思った。

(これからもずっと、君と一緒にいられるんだ)

それは何よりも確かで、何よりも幸せな願いの叶え方だった。